京都・長岡京市、「市民相談」に苦情を寄せた人物の個人情報を漏洩させる
京都府長岡京市で、市民相談に苦情を寄せた人物の個人情報を漏洩させていたことが明らかになったと毎日新聞が報じています。
苦情を寄せられた側の人物から「市で把握している情報はないか」との問い合わせを受け、苦情を投稿した人物の個人情報を漏洩したことは行政として論外だと言えるのではないでしょうか。
京都府長岡京市は10日、市のホームページに寄せられた「市民相談」の内容を、職員が市内で事業を営む男性に見せ、撮影させていたと発表した。相談には投稿者の名前やメールアドレスも記載されており、市は「情報管理について配慮に欠けていた」として、この職員を厳重注意した。
市によると、相談は2015年3月に市人権推進課宛てに届いた。市内で高齢介護事業をしている男性を中傷する内容で、特に対応をとらなかったが、その後にこの男性が「ヘイトスピーチの被害を受けている」と同課を訪問。「市で把握している関連情報がないか」と問われ、対応にあたった職員が、相談をプリントアウトした紙を見せ、撮影させたという。
毎日新聞は「誰に情報を流したのか」という点を隠していますが、匿名にしておく必要はないでしょう。個人情報を不正に得た男性は民進党・有田芳生議員の弟である有田和生氏です。
今回の件を整理すると以下のようになります。
- 長岡京市に『市民相談』で有田和生氏への苦情が寄せられる
- 有田氏が「ヘイトスピーチの被害を受けており、関連情報を保持していないか」と相談
- 対応した職員が有田氏に個人情報が記載されたままの相談内容を見せる
- 有田氏が撮影し、ネットで相談者の情報を募り、問題が発覚する
長岡京市の対応は論外ですが、個人情報をネット上にバラ撒いた有田氏の対応も批判されるべきものと言えるでしょう。
毎日新聞は「2015年3月に有田和生氏を中傷する内容が届いた」と伝えています。有田氏がツイッターで投稿者の個人情報を募った際に添付されていたものがそれだと思われるのですが、「中傷する内容」と報じることに疑問が残ります。
「有田氏が市民をゴキブリと呼んでいる」、「そのことを批判するとレッテル貼りをされた」、「個人情報を暴露している」というクレームであり、中傷する内容というより、有田氏の行為を批判するものと言えるでしょう。
「他者をゴキブリと呼んでいたか」という点については、twitter 上のことであり、長岡京市でも容易に確認ができる内容です。それを踏まえた上で「市民相談に寄せられた内容が有田氏への中傷だった」と結論づけるのは無理があることなのではないでしょうか。
人権推進課が保持していた個人情報が漏洩し、人権を損なうという冗談のような展開は冗談で済む問題ではありません。
相談内容に「名前や職場の情報を無断で投稿されました」との掲載されている中で、差出人の個人情報を有田氏に伝えているのです。これは厳重注意で済む問題ではないと言えるでしょう。
有田氏は「当事者に内容を見せ、事実関係をするのは当たり前」と考えているようですが、差出人の情報まで有田氏に公開する必要性はありません。“相談内容における事実確認” だけで十分であり、差出人情報を有田氏に提供する理由はないのです。
そのことを自分に都合良く解釈している有田氏の個人情報に対する考えも問題と言えるでしょう。
長岡京市は個人情報保護に無頓着で居住を控えた方が良い地方自治体。有田和生氏は「自治体は個人情報を出して当然」と考える高齢介護事業を営む人物と言えます。
個人情報を軽視する人々が簡単にアクセスできてしまうシステムは是正する必要がありますし、問題ある人物が個人情報を触れることができるポジションから遠ざける必要があるのではないでしょうか。