ヤノベケンジ作・福島への風評被害を助長するシンボル像が「科学的根拠に基づく批判」などで撤去が決まる

 NHK によりますと、福島市の中心部に設置されていたヤノベケンジ作『サン・チャイルド』の撤去が決定したとのことです。

 作品自体が「福島への原発事故の風評を招く内容」であり、これが科学的根拠に基づく批判によって “公共の場” から撤去されることは朗報と言えるでしょう。同様に反原発派が流したデマも清算する必要があるはずです。

 

 この像は各地で展示されたあと福島市に寄贈され、先月28日から中心市街地にある子育て支援施設「こむこむ館」の前に設置されましたが、「原発事故のあと福島市では防護服が必要だったと誤解を招く」などの撤去を求める批判的な意見が寄せられていました。

 福島市の木幡市長は28日午後、記者会見を開き、像を撤去する考えを明らかにしたうえで、「設置の継続を求める声がある一方で、設置に反対する声も多い。賛否が分かれる作品を『復興の象徴』として市民の皆様の前に設置し続けることは困難と判断した」と述べました。

 (中略)

 撤去する時期は未定で、木幡市長は今回の混乱の責任を取って給与の一部を返上することにしています。

 

「福島市で防護服が必要だったという事実は存在しない」という現実

 ヤノベケンジ氏の作品に寄せられた主な批判は以下の2点でしょう。

  1. 原発事故後に福島市で防護服が必要だったという事実は存在しない
  2. 像の胸部にあるガイガー・カウンターの数値が自然界ではあり得ない「ゼロ」を示している

 この作品が設置されたことを批判した際、「放射線量の数値が非現実的である」との点から批判を行いました。しかし、そもそも論として、「福島第一原発での廃炉作業以外では防護服は不要」でした。

 現実を無視したヤノベケンジ氏の作品が福島市に寄贈され、公共の場に展示されたのです。そのため、科学的根拠に基づく批判が寄せられることは当然であり、一部活動家が情緒的に訴える心情は覆されて当然と言えるでしょう。

 

“フクシマ” を『反原発運動の聖地』にしたい個人や団体は「設置の継続」を要求する

 福島に対する風評を助長する作品の設置継続を要求する人々は存在します。なぜなら、彼らは「 “フクシマ” を『反原発運動の聖地』にしたい」という強い動機があるからです。

 これまでは「広島や長崎の被爆者」という運動のアイコンがいました。

 しかし、被爆者の高齢化で、運動の規模が衰退。「被爆2世・3世に健康被害が出る」と風評を流し続けるも、医学的・科学的に完全否定され、運動そのものが “オワコン” になりつつあったのです。

 そこに原発事故が福島で発生しました。そのため、ここぞとばかりに活動家が「放射能デマ」を原発版にアレンジして流布。「放射能デマ」を具現化したヤノベケンジ氏の現代アート作品が “公共の場” に設置され続けることを彼らが熱望するのは当然の成り行きと言えるでしょう。

 

『サン・チャイルド』は作者ヤノベケンジ氏に引き取らせるか、福島県歴史資料館に「風評被害の実例」として展示すべきだ

 問題の展示物を許可した福島市の木幡市長は「撤去の責任」を負わなければなりません。このまま、ズルズルと展示したままにするのであれば、次回の選挙で有権者が審判を下すべきでしょう。

 撤去の時期は決まっていないとのことですが、年内に撤去できなければ、「撤去する気がない」との判断して差し障りはないはずです。

  • 作者ヤノベケンジ氏に『サン・チャイルド』像の引き取りをオファー
  • 福島県歴史資料館に「風評被害の実例」として、騒動の経緯を添えて展示

 まずは、作者(やヤノベ氏の支援者)に「像の引き取り」をオファーすべきでしょう。個人や特定の団体が『福島への風評を助長する悪趣味な現代アート』を “私的な場” で展示する自由は認められているからです。

 誰も引き取りに名乗りを上げないなら、歴史資料館に『風評被害の実例』として「騒動の経緯」を書き添える形で展示すべきです。原発事故で福島が実際に被った被害を可視化できる展示物ですから、ある意味で “歴史的な資料” と言えるでしょう。

 木幡市長はこうした動きを実行しなければならない立場にあるのです。

 

 「問題作が “公共の場” から撤去される」と決定されたことは評価されるべきです。次は「いつ、実際に問題作が撤去されるのか」という点を注視しておく必要があると言えるのではないでしょうか。