民進党・有田芳生議員が「Jアラートが鳴ったとき、ミサイルは日本上空を通過済み」とのデマを流す
8月29日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルの件について、民進党の有田芳生・参議院議員が「Jアラートが鳴ったとき、ミサイルは日本上空を通過していた」との自らのツイッターに投稿しています。
このツイートは明らかなデマであり、訂正が必要なものと言えるでしょう。民進党も政党として所属議員が明らかなデマをネット上に投稿し、それを放置していることに対処しなければなりません。
■ 有田議員によるツイートの内容
有田芳生議員(民進党)が投稿したツイートの内容は以下のものです。
Jアラートが鳴り響いていたとき、すでにミサイルは日本上空を通過していた。NHKは防衛省にある PAC3 を映し、何度も「動きはありません」と報じたが、それはそうだろう。警戒区域に東京は入っていないのだから。今朝の政府発表と報道は相当に真剣な検証が必要だ。
■ 事実
有田議員のツイートが虚偽である理由は時系列を整理すると明確になります。防衛省が発表した内容と NHK が報じたJアラートでの情報発信を整理すると次のようになるからです。
2017年8月29日 午前5時58分頃 |
北朝鮮西岸・スナンから弾道ミサイルが北東の方角に発射 |
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6時2分 | Jアラートで「東北地方の方向に発射の模様」と一斉送信 |
6時5分〜7分頃 | 弾道ミサイルが北海道渡島半島及び襟裳岬の上空を太平洋に向けて通過 |
6時12分頃 | 襟裳岬の東約1180kmの太平洋に北朝鮮から発射された弾道ミサイルが落下 |
6時14分 | Jアラートで「さきほど上空通過の模様」と一斉送信 |
6時29分 | エムネットで「ミサイルは3つに分離 午前6時12分ごろ襟裳岬の東方太平洋上に落下と推定」と送信 |
最初のJアラートが鳴った時は弾道ミサイルは日本の上空には到達していないことは明白です。
有田議員は最初のJアラート(午前6時2分に送信)ではなく、第2報(6時14分に送信)を根拠に批判しているのでしょうか。だとしたら、完全にお門違いです。
Jアラートに記載された内容を読まずに批判していることになりますし、そもそも「弾道ミサイルが日本上空を通過する前にJアラートが鳴っている」という事実を無視することになるからです。
まず、有田議員がすべきは当該ツイートが誤りであることを認め、謝罪・撤回することでしょう。検証すべきは「なぜ、間違った情報を流してしまったのか」という自らのミスであり、政府の発表や報道内容ではありません。
「自分が間違った内容のツイートをしたのは政府発表や報道のせいだ」と開き直ることは可能ですが、「情報を分析する能力が著しく欠けている」と宣言したことになるため、国会議員としては明らかに不適切な弁解と言えるでしょう。
また、民進党所属の国会議員がデマを振りまいている状況であり、民進党も党としての対応が不可欠になることは言うまでもありません。とっさの回避行動を採ることができるかが被害を最小限にするために不可欠であり、Jアラートはその役割を十分に果たしているからです。
そのJアラートをデマでバッシングし、大事な “命綱” を切ろうとする有田議員の行為を黙認すべきはありません。
小さなことですが、悪評を垂れ流しにすることは党にとってのメリットはないだけに、有田議員に速やかに訂正を促し、もし訂正に応じないのであれば厳しい処分を科す必要があるのではないでしょうか。