業界団体から豊洲移転の要望が相次ぎ、築地市場からはベンゼンが検出 築地残留は非現実的なのでは?

 築地残留派は単にゴネているだけとの印象が強くなりました。

 11日に行われた非公式のヒアリングで「豊洲移転への要望」が相次いだと NHK が報じた上、日経新聞が「築地市場の土壌検査でベンゼンが検出された」と報じたのです。

 この状況でも「築地市場に残留する意味がある」と主張することが消費者のニーズに合致しているのでしょうか。“開放型の市場” である築地でベンゼンが検出されたことは豊洲とは比較にならないほどマイナス面が大きいと言えるはずです。

 

 築地市場の豊洲への移転について議論する東京都の「市場のあり方戦略本部」は築地市場の業界団体に対するヒアリングを行い、団体からは豊洲市場への移転を1日も早く判断してほしいという要望が相次ぎました。

 

 「安全な豊洲市場は安心できないから、移転に反対する」と築地残留派は主張しています。しかし、衛生面での基準を満たさない訳ですから、移転を決定すべきとの声が出ることは当然です。

 “築地利権” を手放したくない一部の業者がゴネているだけなのですから、それに同調することの方が問題と言えるでしょう。また、築地市場が衛生面などで問題を抱えていることは次々に発覚しています。

 豊洲市場を陥れるためのロジックがすべて築地市場に降りかかっている現状は皮肉以外の何物でもないと言えるでしょう。

 

日経が報じた「築地市場でベンゼン検出」の影響度

 11日に日経新聞が報じた「築地市場でベンゼンが検出された」というニュースが持つインパクトは大きいでしょう。なぜなら、移転反対派が豊洲の地下水で検出されたベンゼンで大騒ぎしていたことがすべて跳ね返って来ることを意味しているからです。

 東京都の築地市場の土壌調査でベンゼンが検出されたことが11日、明らかになった。今回は地表近くのガス成分の簡易な分析。都は実態把握のために詳細な調査に入る方針を決めた。

 (中略)

 築地の敷地内には、戦後に進駐軍のドライクリーニング工場や給油所、車両整備工場があった。都は2016年に「汚染のおそれがある」との報告をまとめていた。

 築地市場は進駐軍関係の工場跡地であり、ベンゼンなどによる汚染リスクは存在していました。そのことは東京都も把握しており、報告でまとめられていることからも分かります。

 検出されたのは “地表近くのガス” であり、市場で利用することのない豊洲の地下水とは性質が大きく異なると言えるでしょう。築地は開放型の市場であり、閉鎖型の豊洲市場と比較すると外部からの影響を受けることは明らかです。

 豊洲市場以上にベンゼンによる影響を受けやすい築地市場で “安心” を担保することは不可能と言えるでしょう。

 

ベンゼンが検出され、魚を炎天下に置きっぱなしの築地市場の安心とは何か?

 コールドチェーンを保つことができない築地市場で何を根拠に安心しろと築地残留派は主張するのでしょうか。魚を仲卸業者が炎天下に置きっぱなしにしている(もしくは、せざるを得ない)状況で「鮮度」を雄弁に語る姿は滑稽にしか映らないものです。

 それに加え、ベンゼンも検出されました。「コンクリートで遮断されているから問題ない」というのであれば、豊洲市場と同じです。“閉鎖型” でコールドチェーンが保たれている豊洲市場と比較した際のメリットは見当たらない状況なのです。

 豊洲市場への移転の際に適応された基準が築地市場に用いられなければ、ネガティブな情報はでないでしょう。それによって得られた結果は “安心” の根拠となるのでしょうか。

 

 豊洲市場移転に反対し、築地残留を訴える人々・業者は豊洲市場が正式決定した場合は移転せず廃業を決定してくれることでしょう。

 もし、豊洲市場の広い区画で営業していることが発覚すれば、ゴネた張本人としてバッシングを受けても文句を言う資格はありません。それだけの覚悟を持っているから、安全な豊洲市場への移転を妨害し、安心できる築地市場に留まりたいのでしょうから。