共同通信、「民進党・山井議員の発言」を “自民党・竹下議員の発言” として報じる

 共同通信は6月29日に自民党と民進党の国会対策委員長による会談があったことを伝える記事を報じましたが、読者に誤解を招く見出しと記事となっています。

画像:共同通信によるミスリードを誘う記事

 

1:共同通信が伝えた原文

 民進党の山井和則国対委員長は27日、自民党の竹下亘国対委員長と国会内で会談し、加計学園(岡山市)の獣医学部新設を巡る疑惑を解明するため、臨時国会と衆院予算委員会などの閉会中審査を早急に開催するよう重ねて要求した。竹下氏は「安倍晋三首相は加計問題について追及されることを嫌がっている」と述べ、拒否した。会談後、山井氏が明らかにした。

 

2:問題箇所

 問題となるのは「会談後、山井氏が明らかにした」と書いているにもかかわらず、自民党側(=竹下国対委員長)が難色を示しているとミスリードしている点です。

 実際は、民進党の山井国対委員長が竹下国対委員長(自民党)との会談後に「竹下氏が安倍晋三首相は加計問題について追及されることを嫌がっていると述べている」と共同通信の記者に語ったのです。

 

 取材源が民進党・山井氏であるにもかかわらず、「取材の情報源は自民党」と誤解させることは歪曲・ミスリードです。また、発言したされる竹下議員への “裏取り” を行っておらず、これは報道機関としての失態です。

 一方の主張内容のみを伝えるのであれば、そのことを明記し、誤解を招かないようにすることが責務であるからです。

 

3:修正案

 共同通信は以下のよう修正すべきです。

  • 原文:竹下氏は「安倍晋三首相は加計問題について追及されることを嫌がっている」と述べ、拒否した。会談後、山井氏が明らかにした。
  • 修正案:会談後に取材に応じた山井氏は記者に「竹下氏は安倍晋三首相が加計問題について追及されることを嫌がっている」と述べた

 見出し(タイトル)については、“「首相は加計追求嫌がる」と山井氏” と記載しなければなりません。明らかなミスリードが含まれた悪質な記事であり、注意が必要です。