プロ野球のクライマックスシリーズは「サドンデス方式」に変更すべき
甲子園球場で行われた阪神と DeNA によるクライマックスシリーズ(セ・リーグ)が雨によってグラウンド状態が思わしくなかったことで開催日程に疑問が投げかけられています。
高校野球でも中止となるようなコンディションでは疑問が出て当然です。これはクライマックスシリーズの方式を変更することが「最も効果的」と言えるでしょう。
1:ペナントの重要性が薄れる方式であることが問題
クライマックスシリーズの問題点はペナント(レギュラーシーズン)の存在価値が薄れることです。
今季の広島がセ・リーグで見せたように1チームが独走すれば、ペナント全体は盛り下がることになります。カープファン以外は興味を持たなくなるでしょう。「3位までチャンスがある」ことはペナント全体に注目をもたらしますが、長丁場を上位で終えたチームに対する恩恵が少ないことが問題なのです。
- 1位チーム
- 4勝勝ち抜け方式で1勝のアドバンテージ(=6戦4勝制)
- 全試合主催試合
- 2位チーム
- 「3戦2勝制」で引き分け以上で勝ち抜け
- 全試合主催試合
クライマックスシリーズは日本シリーズに出場する球団を決めるものであり、メインは日本シリーズです。したがって、「レギュラーシーズンを最も良い成績で終えた球団」か最優先で、「短期決戦に強い好調な球団」が次点という位置づけであるべきなのです。
ただ、現状では「短期決戦で運をつかんだ球団」が最も救済される形であり、日程的な面で見直しが必要と言えるでしょう。
2:“サドンデス方式” を導入すべき
解決策として提案したいのは「サドンデス方式の導入」です。
ファーストステージは2戦制、ファイナルステージは4戦制で行う形が理想と言えるでしょう。“サドンデス方式” が採用された場合の勝ち抜け条件は以下のようになるからです。
- 1位チーム:ファイナルステージで1勝または1分
- 2位チーム:1st ステージで1勝または1分+ファイナルステージ4連勝
- 3位チーム:1st ステージ2連勝+ファイナルステージ4連勝
この方式なら、ペナント(=レギュラーシーズン)の価値は損なわれないでしょう。上位チームには露骨なほどにアドバンテージが与えられるため、最後まで気を抜くことはないと考えられるからです。
下位チームの場合は「敗者復活枠」で日本シリーズ出場を目指す訳ですから、“不公平な条件” が突きつけられるべきです。
仮に、3位チームが “借金” で終えた状態でも、クライマックスシリーズを全勝で終えたなら、日本シリーズに出場する資格を手にすることに文句は出ないと言えるでしょう。
3:日程面について
興業的な面を考慮すると、“中だるみ” を招く日程は歓迎できません。また、ペナントを首位で終えたチームのアドバンテージがなくなるような緩やかな日程は望ましくないと言えるでしょう。
したがって、以下の日程で調整すべきです。
土 | 1st ステージ ① |
---|---|
日 | 1st ステージ ② |
月 | 1st ステージの予備日 ① |
火 |
|
水〜木 | 休養日 (土曜日の試合で2位チームが勝ち抜けを決めれば、日〜木が休養日となる) |
金 | ファイナルステージ ① |
土 | ファイナルステージ ② |
日 | ファイナルステージ ③ |
月 | ファイナルステージ ④ |
火 | ファイナルステージの予備日 ① |
クライマックスシリーズが始まる1週間前の週末にペナントの最終戦を各チームが戦う日程とし、日本シリーズの出場を賭けた戦いが始まるという形で盛り上げるようにすることが理想と言えるでしょう。
このようなハラハラ度合いが高い方式に変更すれば、雨などコンディションが極めて劣悪な状況で無理に試合を強行する必要はなくなります。
「運も実力のうち」と言える方式を最初から導入し、「ホーム開催資格をペナントで獲得すれば良い」という形に落ち着けることが批判を少なくする理想的な解決策と言えるのではないでしょうか。