ザギトワ選手にボーイフレンドの話題を質問する堀尾正明アナ(TBS)や擁護するテリー伊藤氏のレベルは小学生以下

 アイスショーのために来日中のアリーナ・ザギトワ選手が TBS の情報番組『ビビット』に出演した際、堀尾正明アナから「ボーイフレンドのタイプ」を質問され、「良い質問ではない」と返されたと報知新聞などが伝えています。

 質問の内容が低次元のものですし、セクハラと認定されても文句は言えないでしょう。また、テリー伊藤氏だけが擁護したとのことですが、小学生以下レベルの質問を “プロ” がしていることを恥じなければなりません。

 

 3月31日に開幕したアイスショー「スターズ・オン・アイス」出演のため来日中のザギトワ。同じく平昌五輪で五輪連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=について聞かれると「彼はとても強い人だと思います」とコメント。

 続けて、堀尾アナから「とても動物がお好きだと思うんですけど、どんなタイプの男性をボーイフレンドにしたいですか?」との質問が飛んだ。

 ザギトワは少し考えた後、「正直言ってあまり考えたことがないんですね、男性のこと。あんまりいい質問じゃない」と苦笑いで回答。堀尾アナは顔を赤くして「すみませんでした」と平謝りだった。

 

堀尾アナや番組スタッフの質問構成力が致命的

 番組構成を担当したスタッフが「ザギトワ選手の好みの男性を聞くこと」を提案し、責任者がそれを了承したのでしょう。

 ただ、質問の仕方・掘り下げ方次第ではセクハラとなるテーマであるだけに、実際に質問する人物(=今回の場合は堀尾アナ)の質問力が不足していたことが浮き彫りとなりました。

  • 「動物が好きだと聞いていますが、プライベートで時間を割きたいと思っていることは?」と質問
    1. 「恋愛」との回答なら、「好みの男性タイプ」を質問して掘り下げる
    2. 「スケートのことしか頭にない」など恋愛以外の回答なら、そのテーマについての質問をする

 下調べをほとんどやらない状況でザギトワ選手に対する質問を行ったのであれば、上記のプロセスに沿った形でしなければならないことは明らかと言えるはずです。

 

ロシアの女性アスリートに好みの男性タイプを質問する方法は存在する

 もちろん、ロシアの女性アスリートに対し、波風を立てずに好みの男性を質問する方法はあります。ただ、そのためには準備(=下調べ)が必要不可欠です。

 新体操の日本代表だった畠山愛理さんはテレビ番組などで、ロシア人コーチから「恋をするように」とのアドバイスがあったと発言しています。これと同様のアドバイスがフィギュアスケート界でもあれば、好みの男性を質問できない訳ではありません

  • 「新体操では恋をするようにとのアドバイスがあったと日本代表選手が述べています。フィギュアでも一般的ですか?」と質問
    1. YES なら、「トゥトベリーゼ(= ザギトワのコーチ)は?」と質問
    2. NO なら、「表現力を高める目的だとことだが、その意見についてどう思うか?」と質問

 一般的に知られている事実を質問として行い、その回答で好意的な反応を示していたのであれば、プライベートな部分の質問をすることはできるでしょう。

 また、取材でトゥトベリーゼコーチが「恋をするように」と選手にアドバイスしていることを把握していたなら、その事実を突破口にし、好みの男性を聞くことは可能であったはずです。

 つまり、段階を踏んで深掘り質問をするか、徹底的な下調べをして直接質問するかのとちらかです。デリカシーの欠如したゴシップ誌未満のような質問をすること自体、メディアとして恥ずべきことなのです。

 

マスコミの “質問力” は小学生以下、アスリートは自衛策を講じる必要がある

 日本のメディアがレベルの低い質問をするのは「この水準を下回るとマズい」と感じる指標がないからです。ただ、この問題を解決することは難しいことではありません。

 イタリア・セリエAに所属するサッカーチーム・ユヴェントスは毎シーズンに 1〜2 度のペースで、「クラブのキッズ会員を『ジュニア・レポーター』として招待し、選手に直接インタビューできる機会」を設けています。これと同じシステムを導入すれば良いのです。

 これまで4選手(モラタディバラマルキージオベルナルデスキ)がインタビューを受け、子供らしい質問もあれば、大人のする質問と変わらない内容もあるからです。

 つまり、ファンクラブを持つスポーツチームはキッズ会員が質問できる場を定期的に用意し、フィギュアスケートであればジュニアの子供たちが質問できる場を用意することが重要となります。

 そうすることで、レベルの低い質問にはメディア自身が自制をかけますし、自重できないマスコミにはアスリート側から「その質問は子供たちが質問するために取っておくべきでは?」と苦言を呈することが可能になるからです。

 

 「小学生前後を対象とした『キッズ会員』が行った質問内容」と「高給を得ているマスコミ・メディアの質問内容」が同程度では話になりません。

 今はネット時代ですから、取材を受けた側が積極的に「どういう質のインタビューだったのか」を情報発信することが可能になったのです。小学生以下のするような質問しかできないレベルのマスコミはアスリートに対する敬意を払えていないのですから、速やかに退場すべきと言えるでしょう。

 その筆頭格は『ビビット』でザギトワ選手に失礼な質問をするきっかけを作った番組スタッフと質問者の堀尾アナ、発言を擁護したテリー伊藤氏と言えるのではないでしょうか。