江田憲司議員(無所属の会)の「大阪地検の女性特捜部長がリーク元」とのツイートこそ、国会が調査すべき重要案件だ

 衆院会派『無所属の会』に所属する江田憲司議員が自身のツイッターアカウントで、「森友問題で大阪地検の女性特捜部長が捜査情報をリークしている」と投稿しています。

 江田議員のツイートが事実なら、この女性特捜部長は刑法・国家公務員法違反に問われなければならない案件です。逆に事実と異なるのであれば、江田議員が責任を取る必要があると言えるでしょう。

 

江田憲司議員のツイート

 江田議員は自らのツイッターアカウントで以下の投稿を行いました。

画像:江田議員のツイート内容

 #森友 大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる。NHK「何千台分のトラックでゴミを撤去したと言ってほしい」と本省理財局の職員が森友学園に要請と。ネタ元はメールらしい。今のところ、特捜部は「やる気」みたいだが、法務省と財務省の関係からすると、どこまで貫けるか!?頑張れ!

 江田憲司議員のツイッターアカウントのプロフィール説明には「今年から江田本人が発信しています」とあります。議員本人の責任で情報を発信しているのですから、ツイート内容も議員本人の発言と同じという認識で向き合う必要があるのです。

画像:江田議員のツイッタープロフィール

 

江田議員のツイート内容は真偽どちらであっても大きな問題

 江田議員のツイートが大きな問題である理由は内容が真・偽のどちらであっても、重大なスキャンダルであるからです。

  • 真の場合:大阪地検特捜部がマスコミに捜査情報を漏洩した刑法・国家公務員法に違反する問題
  • 偽の場合:江田憲司議員が虚偽情報(フェイクニュース)を流した問題

 どちらの場合であっても、重大スキャンダルと言えるでしょう。つまり、黙認・封殺できる内容のツイートではないのです。

 フェイクニュース批判を展開するメディア・マスコミは江田議員のツイート内容の真偽を確認するために動き、その結果を記事にして報じることが “ジャーナリズム” と言えるはずです。

 

「検察からの捜査情報提供」は刑法と国家公務員法に違反する

 江田議員のツイートは「大阪地検(の特捜部長・山本真千子氏)が刑法・国家公務員法に堂々と違反し、(朝日新聞を始めとする)メディアに捜査情報をリークしていた」と示唆するものです。

 示唆された内容は確認する必要があるでしょう。なぜなら、松野信夫・参院議員(当時:民主党)が平成21年(2009年)に提出した質問主意書で次のように答弁されているからです。

 刑法第百三十四条及び国家公務員法第百条第一項違反の行為は、いずれも、法律に違反する行為であり、許されない行為である。

 刑法第134条は「秘密漏洩」、国家公務員法第100条1項は「秘密を守る義務」について定められています。麻生政権(当時)が「捜査機関からの情報提供は犯罪」と答弁しており、“お目こぼし” をすべき案件ではないことは明らかです。

 自分たちが有利になるよう大阪地検がマスコミを使った世論工作に出た可能性が濃厚となった訳ですから、検察(特に大阪地検特捜部)に疑惑の目を向ける必要があると言えるでしょう。

 

検察には野党と歩調を合わせようとする動機がある

 地検の特捜部が安倍政権との対決姿勢を強めているように映るのは2つの理由があるからでしょう。

  1. 上級官僚の人事権争い:官邸 vs 検察庁
  2. 過去に起きた同様の情報漏洩に対する調査を現・野党に阻止してもらった

 1つ目は「内閣人事局」に関することです。選挙による審判を受けた政治家・政党が政権運営を担います。

 「内閣人事局」が存在しなかった時代は官僚がサボタージュという実質的な『拒否権』を持ち、建前上は「国民主権」でしたが、実態は『官僚主権』だったのです。それが是正されたに過ぎません。

 ただ、検察庁は自らの権力が削がれる形となっており、それに反感を持っているという状況にあると言えるでしょう。2つ目の理由は「現・野党の執行部」に “借り” があることです。

 

菅直人政権(当時:民主党)に大きな “借り” がある大阪地検特捜部

 もう1つは検察(特に特捜部)が現在の野党に大きな “借り” があるからです。平成22年(2010年)10月に浅野貴博・衆院議員(当時:新党大地)が次の質問主意書を提出しています。

 本年九月二十一日、朝日新聞だけが朝刊で前田容疑者による改竄を報じていた。前田容疑者による改竄に関し、大阪地検特捜部または検察庁より、「マスコミ」に対して「リーク」がなされた事実はあるか。また、その様な事実がないか、柳田稔法務大臣として、同特捜部または同庁を調査する考えはあるか。

 これに対し、菅直人政権(民主党)は以下のように答弁しています。

 御指摘の記事については承知しているが、一般論として申し上げれば、検察当局においては、従来から、捜査上の秘密の保持について格別の配慮を払ってきたものであり、捜査情報や捜査方針を外部に漏らすことはないものと承知しており、御指摘の調査を行うことは考えていない。

 菅直人政権の答弁は矛盾しています。なぜなら、「捜査情報を外部に漏らすことはない」と述べていますが、その前年に松野・参院議員(当時)からの質問主意書に対して麻生政権が「年 1〜2 件で捜査情報の漏洩が起き、刑事事件として受理されている」と答弁しているからです。

 また、刑事裁判でも年1件のペースで有罪が確定したことも認める答弁しているのですから、「(捜査情報を外部に漏らすことはないとする)菅政権の答弁内容はおかしい」と言えるでしょう。

 

 大阪地検・特捜部は『村木冤罪事件』で大失態をした “前科” があります。その際も朝日新聞に捜査情報がリークしていた疑いがあり、今回も同様のコネクションで情報漏洩が起きていても不思議ではありません。

 しかも、当時は漏洩が疑われても、菅直人政権(当時)が捜査を拒んでくれました。当時の閣僚経験者が現在は(主に)立憲民主党に重鎮議員として在籍しているのです。訴追を免れた当時の検察職員が “借り” を返すために反アベ運動の援護射撃をしていた可能性があるのです。

 朝日新聞は森友・加計疑惑で「疑われた方がシロである証拠を示せ」と主張して来ました。今回の捜査情報漏洩疑惑についても、「大阪地検がリーク元ではない」と証明してくれることでしょう。

 まずはツイートを行った江田議員と名指しされた大阪地検特捜部長・山本真千子氏の証人喚問を求めることから始めるべきと言えるのではないでしょうか。