“反ヘイト自警団” による言論妨害行為は明らかな犯罪行為である

 産経新聞によりますと、6月3日に川崎市で行われる予定だった市民団体主催の講演会が会場前に押しかけた別の市民団体によって中止に追い込まれたとのことです。

 「反ヘイト条例は是か非か」を論じる会合が “反ヘイト自警団” の妨害で開催されなかったことは『表現の自由』や『言論の自由』を脅かす行為と言えるでしょう。また、犯罪行為に該当する訳ですから、所轄の神奈川県警は妨害活動を行った人物を逮捕する責務があるはずです。

 

 ヘイトスピーチ対策法施行から2年となる3日、川崎市川崎区の川崎市教育文化会館で3日に開催する予定だった市民団体「ヘイトスピーチを考える会」主催の講演会が、会館前に押しかけた反対派市民団体の関係者らにふさがれ、考える会は集会を延期した。

 (中略)

 会館の関係者によると、開場1時間前の午後1時ごろから、抗議に集まった数百人が、講演会関係者らの入館を阻み、激しいもみ合いとなった。

 神奈川県警機動隊は現場で警戒したものの、押しかけた講演会反対派が出入口周辺に座り込むなどし、講演会参加者が入館するスペースを確保することができなかった。

 考える会側は午後2時半ごろ、会館に中止、延期を申し入れた。

 

“しばき隊” の呼びかけに呼応した集団が妨害行為に手を染める

 産経新聞によりますと、妨害行為を呼びかけたのは “しばき隊” としてネット上で知られる団体とのこと。その呼びかけに応じた人物が「抗議活動」という名目で講演会の開催を妨害した報じています。

 日本では『言論の自由』と『表現の自由』が保証されています。そのため、講演会という名の集会が行われることを実力で阻止する行為は決して許されないのです。

 自らが気に入らない言論(→ 極端な例で言えば、皇室廃止論)を掲げた集会であったとしても、「集会を開く自由」は保証されていなければなりません。『言論の自由』や『表現の自由』が保証されている以上、「不快な内容」でも受忍する必要があるのです。

 もちろん、限度はあります。街宣活動で「不快な内容」を連呼することは批判の対象となるでしょう。しかし、閉鎖空間である討論会場で、「不快な内容」を含む議論を認めずに実力行使をすることを容認するのは『表現の自由』などを脅かす行為と言わざるを得ないのです。

 

「相手は差別主義者だから何をしても良い」という思想の持ち主が民主主義を脅かす

 今回の妨害行為に参加した人物や賛同者の中には「相手が差別主義者だから、妨害行為は問題ではない」との考えを持つ者もいるでしょう。

 ただ、この考えは非常に危険です。なぜなら、「対立する(考えを持つ)相手にレッテルを貼れば、何をしてもお咎めなし」という戦前と同じ状況を招くことになるからです。

  • 戦前:「非国民だから、何をしても良い」
  • 現在:「差別主義者だから、何をしても良い」

 先の大戦から何も学んでいないのは “反ヘイト自警団” と揶揄される人々でしょう。なぜなら、戦前・戦中に「非国民」とレッテルを貼りつけて潰した悪しき行為と同じことをしているからです。

 『自由』と『民主主義』を脅かす挑戦的な行為をしている人物・団体に対しては厳しい批判を向けなければなりません。もし、妨害行為を高く評価をしているメディアがあるなら、言論機関として致命的と言えるでしょう。

 

神奈川県警は妨害行為を行った人物・団体を威力業務妨害で逮捕すべきだ

 講演会の開催が反ヘイトを掲げる市民団体らの行動によって妨害されたのです。道路に寝そべるなど妨害行為をした訳ですから、管轄する神奈川県警は威力業務妨害や道交法違反などで捜査・立件を行うべきでしょう。

 明らかに、反ヘイトを掲げる市民団体の暴走であり、適切な法執行によって是正されなければならない事案だからです。

 “反ヘイト自警団” が川崎市で行ったことは「ファシストそのもの」です。メディアはファシストは極右の専売特許とでも思っているのでしょうか。左派の中にも『ファシスト思想』を持った人物が含まれていることを認識しなければなりません。

 暴力など、実力行使で政治集会が中止に追い込まれることは「あってはならないこと」なのです。ここで歯止めをかけることができなければ、テロ行為を正当化するのは時間の問題と言えるのではないでしょうか。