朝日新聞、(個人情報が満載の)死刑執行文書が黒塗りで開示されたと難癖を付ける
朝日新聞が松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚らの死刑執行文書の開示を請求し、「開示された文書がほぼ黒塗りだった」と批判しています。
ただ、ほとんどの項目には個人情報が含まれており、黒塗りになっていなればならないものです。この前提を無視した印象操作は悪質と言えるでしょう。
朝日新聞が報じた記事の内容
朝日新聞は8月8日付の記事で以下のように報じました。
オウム真理教元代表、松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚(執行当時63)ら教団元幹部の死刑執行に関する文書の一部を、法務省が8日、朝日新聞に開示した。ただ、執行状況や遺言など、ほとんどの項目が「黒塗り」で非開示とされていた。
執行書の項目は全部7つあり、そのほとんどの項目が「黒塗りだった」と批判しているのです。しかし、それらほとんどの項目に個人情報が含まれているため、黒塗りは妥当です。
そのことを無視する形で印象操作する朝日新聞の姿勢は厳しい批判にさらされるべきものと言えるでしょう。
死刑執行文書の項目と黒塗り部分
公開された執行書と黒塗りにされていた部分は次のとおりです。
- 氏名:開示
- 執行年月 日時:執行時刻と死亡確認時刻は黒塗り
- 執行立会者氏名:黒塗り
- 執行状況:黒塗り
- 本人の刑に対する心情、遺言等:黒塗り
- 遺体の処置、引取人の住所、氏名:黒塗り
- 参考事項:開示
開示が行われず、黒塗りとなっていた部分は当然のものばかりです。
執行日時は非公開ですし、立会人を公表すれば復讐の対象になることは見え見えです。遺言は個人のプライバシーであり、遺体引受人の住所や氏名は “個人情報の塊” です。
これらの情報が開示されないことを「おかしい」を騒ぐ方が問題と言わざるを得ません。
情報公開を要求するなら、署名記事で主張すべきだ
朝日新聞の記事で姑息なのは「情報公開に疑義を投げかける記事が匿名記事で行われている点」です。
黒塗りを問題視するなら、記事の執筆者が “黒塗り” では説得力を持ちません。記事の責任者が誰なのかを読者に明記する責務があるでしょう。
「文字数の制限があり、難しい」との主張をする記者もいるでしょうが、それは自らの力不足を認めていることと同義です。『文書のプロ』であるなら、限られた文字数の中で事象を正確に伝達する表現技法を持っているはずだからです。
こうした当たり前のことができていないから、メディア全体への信頼が凋落する結果となっているのです。朝日新聞の印象操作記事に対し、同業者から内容を批判する記事が出なければならないと言えるのではないでしょうか。