「ファン・ウィジョがアジア大会決勝での八百長を持ちかけている」と告発することが “サッカー・ファミリー” の責務ではないのか

 インドネシアで開催されているアジア大会の男子サッカー決勝は韓国と日本の対戦になりました。

 ただ、決勝戦で八百長を持ちかけているとの疑いが強い行為をしている韓国人選手が見受けられます。この行為をしかるべき組織に通告することが “サッカー・ファミリー” の責務と言えるでしょう。

 

「ファン・ウィジョの行動」が疑惑の対象

 問題となのは韓国代表にオーバーエイジ枠で参加しているファン・ウィジョ選手(ガンバ大阪)の行為です。

 韓国『朝鮮日報』では「日本には申し訳ないが、ガンバのエースの未来がかかっているので許してくれ」といったG大阪の一部ファンの反応を紹介。また、ファン・ウィジョがアジア大会に向かう前に「(G大阪の)チームメイトが(U-21日本代表の)初瀬に『決勝でファン・ウィジョに会ったら(優勝を)譲るように』という冗談も言った」と話したことなどを伝えている。

 『ゲキサカ』が報じた内容が Yahoo! に転載されているのですが、この行為が「八百長に相当する疑いがある」からです。

 なぜなら、過去に中田英寿選手が所属したパルマ(イタリア)は所属する FW が対戦相手にいた元チームメイトに「激しいタックルは止めてくれ」と “陳情” するメールを送ったことで、八百長問題となりました

 “手心” を加えることを要求していたのですから、「八百長の疑いがある」との認識を持ち、しかるべき組織に通報することがサッカー協会の責任と言えるでしょう。

 

「八百長行為であるか」を判断するのはチームや選手、マスコミではない

 次に、「該当の行為が八百長に該当するのか」を判断するのはチームや監督・選手ではありません。なぜなら、八百長行為の当事者であるケースも存在するからです。

 基本的には競技管轄団体が判断を下すため、八百長と疑われる行為に気づいた場合は競技管轄団体(= FIFA, AFC, JFA など)に告発することが責務なのです。

 ファン・ウィジョ選手はガンバ大阪で同僚の初瀬亮選手に「決勝で譲るように」と持ちかけたと報じられたのですから、選手自身やその情報を得たメディアが「八百長の疑い」を理由に告発しなければなりません。

 告発されれば、「ファン・ウィジョ選手の振る舞いが八百長に該当するのか」は(おそらく) AFC が判断を下すでしょう。『冗談』か『八百長』かは競技管轄団体に見解を示させることが選手やチームの責務なのです。

 

大会前と決勝前の2度に渡って「頼むよ」は『冗談』の範疇を超えている

 ファン・ウィジョ選手の行為を八百長として告発しなければ理由は「1度ならず、2度までも持ちかけている根拠があるから」です。

画像:ナンバー・ウェブに掲載された記事

 雑誌『Number』のウェブサイトに飯尾篤史氏が執筆した記事の中で「昨日ホテルでウィジョに『頼むよ』って言われました」と初瀬選手が言及したとの記述があります。

 朝鮮日報は「大会前」でしたが、Number では「決勝前」にも、同様の発言があったことが分かります。これは「『冗談』の範疇を超える振る舞い」と言わざるを得ません。少なくとも、八百長として告発しなければならない案件と言えるでしょう。

 

 “サッカー・ファミリー” と名乗る暇があるなら、八百長を持ちかけている疑いのある行為を管轄責任を持つ組織に告発しなければなりません。サッカーが「フェアな環境で行われている」と保証する上で、必要不可欠な行動だからです。

 ファン・ウィジョ選手の行為が問題ないのであれば、今シーズンは混戦となっているJ1の残留争いでも同様の行為(= 残留したいチームの選手が対戦相手に「譲ってくれ」「頼むよ」と発言)をしても、「問題ない」とのお墨付きを得ることになるからです。

 この点を認識した上で、厳正に対処する必要があると言えるのではないでしょうか。