売春斡旋疑惑が持たれている BAGBANG (ビッグバン)の V.I. に対し、ムン大統領が「徹底捜査」を指示。#MeToo 界隈は「K-pop 批判」をできるのか?

 時事通信によりますと、売春斡旋疑惑で警察に出頭した BIGBANG の V.I. ことイ・スンヒョン氏の嫌疑に対し、ムン・ジェイン大統領が「徹底捜査」を指示したとのことです。

 #MeToo 運動に携わる人々が「批判の声をあげなければならない事案」が発生したのです。もし、批判することができないのであれば、党派性が色濃く現れた政治活動に過ぎないと言わざるを得ないでしょう。

 

 韓国の文在寅大統領は18日、男性アイドルグループ「BIGBANG(ビッグバン)」の元メンバー、イ・スンヒョンさん(引退前の芸名V・I)が役員に名を連ねていたクラブをめぐる疑惑などについて、朴相基法相から報告を受け、「徹底捜査」を指示した。大統領府が発表した。

 文氏は「警察など権力機関が(クラブと)癒着し、違法営業や犯罪行為を黙認していた疑いが濃い」と指摘。「聖域を設けず、徹底した調査、捜査を行う必要がある」と強調した。

 

「金で何とでもなる韓国の法律は最高!」と当局を嘲笑した V.I.

 ムン大統領が「徹底捜査」を指示した理由は「当局が嘲笑されたから」でしょう。

 BIGBANG の V.I. は実質的な売春宿である『遊興酒店』の経営を行っていたのですが、その際の申請を「一般飲食店」として行っていました。日本のワイドショーでは「キャバクラのような店」とオブラートに包んだ形で報じられるでしょうが、実態はもっと “直接的な店” です。

 そのような形態の店を「一般飲食店」として申請し、取り締まりには賄賂で対応。「金で何とでもなる韓国の法律を愛してる」と発言していたことが明るみに出れば、面子を潰された当局が “徹底捜査” に乗り出すのは当然です。

 当局や韓国大統領府に疑惑を黙認するメリットはない訳ですから、厳しい姿勢を打ち出すことは想定の範囲内と言えるでしょう。

 

売春斡旋という形で「女性を食い物にしていた K-pop アイドル」に対して批判する必要がある

 BIGBANG の V.I. (=スンリ)が起こした問題は K-pop に対する逆風を発生させています。「女性を食い物にしていた」のですから、#MeToo 意識の高い国ほど、逆風の度合いが強くなることが予想されるからです。

 また、同時期にチョン・ジュニョン容疑者が「わいせつ動画流布」で逮捕されており、対応を誤ると致命傷になるでしょう。

 つまり、「一部の K-pop アイドルによる許すことのできない犯罪」としてメッセージを送ることができなければ、市場から見向きされなくなる恐れがあるのです。そのため、疑惑の持たれている容疑に対する批判をすることが不可避なのです。

 特に、#MeToo 界隈は「女性の人権が蹂躙されたこと」に対し、批判の声をあげなければなりません。なぜなら、#MeToo 運動が “守らなければならない人々” が被害に遭っており、被害女性を守るために声をあげることができないなら、活動を続ける意味がないからです。

 立場を表明する声明を出すことが重要であり、地道な活動を継続できるのかが見られていると言えるでしょう。

 

 効果的と目されるような再発防止策が講じられるまで、k-pop アイドルなどの「韓流コンテンツの取り扱い自粛」を求める声が #MeToo 界隈から出されるべき案件なのです。

 無理筋な批判を要求しているのではないのですから、批判の声をあげない方が問題視されることでしょう。自分たちが取り組む人権問題が発生したことがメディアで報じられたのであれば、それに対するアクションを起こすことが当たり前と言えるのではないでしょうか。