日本国内の二酸化炭素濃度が過去最高を記録、「原発停止+太陽光発電増加」で火力発電の比率が増えれば当然の結果である
NHK によりますと、気象庁が行っている二酸化炭素濃度の観測値が過去最高を記録したとのことです。
原因は「原発停止」と「太陽光発電の増加」により、火力発電からの二酸化炭素排出量が増えたからです。データでも示されているため、温暖化を懸念するなら原発再稼働を行う必要があると言えるでしょう。
気候変動の監視のため、気象庁は、岩手県大船渡市三陸町綾里と沖縄県の与那国島、小笠原諸島の南鳥島の3か所で二酸化炭素濃度の観測を続けています。
3か所の去年1年間の二酸化炭素の平均濃度は、大船渡市で412ppm、与那国島で411.7ppm、南鳥島で409.4ppmとなり、いずれもおととしを上回り、観測史上最高となりました。
また、日本の南東の上空で航空機を使って行った観測や、船を使った海洋上の観測でも、観測値は最も高くなったということです。
(中略)
気象庁は「国内の二酸化炭素の平均濃度は、観測開始以来一度も下がることなく増え続けていて、人間活動による化石燃料の消費が原因と考えられる。二酸化炭素削減の取り組みをより一層進めていく必要がある」と話しています。
原発停止で二酸化炭素の排出量は年間5000万トン超も増加している
日本で観測された二酸化炭素濃度が過去最高になった理由は「二酸化炭素の排出量が増えているから」でしょう。これは資源エネルギー庁の資料(PDF)でも示されていることです。
震災後の2013年度には過去最高となる14億トンもの温室効果ガスを排出したものの、その後は減少に転じ、2016年度には13億700万トンにまで下がってします。
しかし、電力分による二酸化炭素排出量は2010年度と比較して、5400万トンも多いことを見落とすべきではありません。なぜなら、「原発代替のための火力発電の焚き増し」が主要因だからです。
2016年度に日本で排出された温室効果ガスの 4.13% が「原発代替のための火力発電の焚き増しによって排出された二酸化炭素」なのですから、原因ははっきりしていると言えるでしょう。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは “火力発電のバックアップ” が不可欠
再生可能エネルギーのポテンシャルを高く買っている人々に共通するのは「火力発電によるバックアップが不可欠」という事実を無視していることでしょう。
温暖化対策という点で『再生エネ』は「クリーン」のイメージがあります。しかし、それは「イメージ」であり、「実態」は全くの別物です。そのため、この点を “ひた隠し” にして再生可能エネルギーを賛美する姿勢は大きな問題を言わざるを得ないのです。
電力は『需要』と『供給』のバランスを保ち続けることが必須です。そのため、供給量の予測ができない太陽光発電や風力発電で需要を賄うことは不可能であり、調整力のある火力発電でカバーせざるを得ない状況なのです。
再生可能エネルギーは発電を行うために「火力発電によるフォローアップ」を受けており、これによる温室効果ガスを排出しているという現実があるのです。この事実を踏まえた上で、温暖化対策を議論する必要があると言えるはずです。
温暖化問題に取り組むなら、現状の技術水準では『原発再稼働』を選択せざるを得ない
「温暖化問題は待ったなし」と主張するなら、『原発再稼働』しか有効な選択肢は存在しない現状です。この現実を受け入れない限り、温暖化対策による効果は期待できないでしょう。
- 原発は「二酸化炭素の排出」を抑制できる上、コスト(= 電気代)も低い
- 再生エネは「コスト高」と「供給の不安定さ」が問題
- 蓄電池の技術的な問題で「太陽光を蓄電する」という選択肢は非現実的
再生可能エネルギーを “蓄電” すれば、温室効果ガスの排出を抑えることは可能です。しかし、蓄電池の容量とコストいう点で要求水準に達しておらず、現在の水準では有効な選択肢とはなり得ないのです。
そのため、現状では『原発再稼働』で科学技術が発展するまでの “時間稼ぎ” をすることが「最も有効で現実的な解決策」なのです。これを全否定する形で「反原発・再生可能エネ賛美」に突き進んでいるのですから、“解決できる問題” が袋小路に迷い込むことになっていると言えるでしょう。
「日本経済をドン底に低迷させる」という政策を採っても、エネルギーの需用量が減少するため、二酸化炭素の排出量は減少することでしょう。
ただ、こちらは多くの国民が困窮する事態を招くという大きな弊害があるのです。“現実的な選択肢” を否定し、実用化できるかが怪しい選択肢を強いる政治には「NO」を示すべきと言えるのではないでしょうか。