テレ朝が下関北九州道路を “忖度道路” を揶揄し、野党4党は「現地調査」という名の “観光” に赴く
塚田一郎・前国交副大臣が「下関北九州道路の件で忖度した」と発言した件で、テレビ朝日と野党が政権批判に走っています。
テレ朝は「忖度道路」と揶揄し、野党はマスコミがニュース用に使うネタを提供するために「現地調査」という名の “観光” をする有様です。正攻法で批判することすらできない状況は大きな問題と言わざるを得ないでしょう。
忖度(そんたく)による利益誘導があったかどうか調査します。
野党4党の国会議員6人による調査団は15日、北九州市で関門橋と関門トンネルを訪れて交通量や老朽化の状況を視察しました。そして、建設予定地で「下関北九州道路」の計画について担当者から説明を受け、福岡県と山口県の知事らから建設の要望に至った経緯や事情などを聴取しました。視察した議員は「不明な部分も多い」として、塚田前副大臣の参考人招致を求める方針です。
「交通量」や「老朽化の現状」は国交省が統計データとして保持している
まず、野党が最初にすべきは「現地調査」ではなく、「国交省が保持する統計データの確認」です。なぜなら、交通量や老朽化の現状は国交省が把握しているはずだからです。
- 『関門橋』や『関門トンネル』
- 交通量は?
- 『関門トンネル』の老朽化と補修通行止め時の影響は?
- 「下関北九州道路」が開通時の交通量シミュレーションを確認
- 開通時の交通量シミュレーションは?
- 地元からの陳情は?どのような内容?
- 建設予定費はどのぐらい?
これらの項目は『下関北九州道路』の “建設計画” が持ち上がっていた段階で調査が行われているはずです。
つまり、現地に赴く必要はなく、国交省に「下関北九州道路に関する上記項目はどうなっているのか」と問い合わせれば、回答が得られるものなのです。もし、国交省が「ありません」と回答すれば、それを理由に「雑な道路計画」と批判できるのです。
野党のやっていることは「批判のためのパフォーマンス」と言わざるを得ないでしょう。
現場に向かうのは “テレビ的な絵” で支持者にアピールするためのもの
政治家は現場に行くことが大好きです。なぜなら、“テレビ的な絵” を作ることができるため、マスコミや支持者に向けた格好のアピールとなるからです。そのため、マスコミを引き連れて「視察」に向かうのです。
しかし、表面的な視察で分かることなどほとんどありません。
必要な下調べをしていなければ尚更です。今回の件では国交省などで統計データの確認など必要な事前調査をやらずに建設予定地に向かったのですから、野党議員には「分からないことだらけ」でしょう。
この「分からないことだらけ」を「疑惑がある」との意味でミスリードしようと画策するマスコミも野党と同じ穴の狢なのです。事実確認はマスコミの本業であり、それを疎かにする野党の姿勢を追認することは逆効果であることを認識しなければなりません。
「物流網の維持に欠かせない既存インフラのバックアップを “忖度” という言葉遊びの対象にするな」と正面から批判すべき
与党を批判したいのであれば、根拠を示して正面から批判すべきです。具体的には「物流網の維持に欠かせない既存インフラのバックアップを忖度とは何事か」と述べるべきです。
関門トンネルは1958年に開通し、リフレッシュ工事などで通行止めが日常的に行われています。
バックアップ機能を持った橋またはトンネルが必須な状況であり、これを「忖度」という言葉遊びをするような政治家は論外です。「そのような政治家を副大臣に任命するほど与党は人材不足なのか」と煽っても効果的でしょう。
重要なのは「地元の陳情に耳を傾け、真摯に対応しているのは野党だ」とアピールすることです。与党の国交副大臣がオウンゴールをしたにも関わらず、「地元に寄り添う姿勢」を忘れ、“東京のメディア” とともに政権批判をするしか能がない野党は致命的と言わざるを得ないのではないでしょうか。