「共産党が参院選の公約に『セックスは原則犯罪』との公約を掲げた」と指摘されたことに対し、共産党は「事実と異なる」とデマで反論

 2019年の参議院選挙に向け、各政党が公約を発表しています。その中で「共産党の公約に『セックスは原則犯罪』との内容がある」との声が出ている状況となっています。

 これに対し、共産党は「そんな記述はない」と主張していますが、これは “デマ” です。なぜなら、共産党の公約内容は「セックスは原則犯罪とする」というものになっているからです。

 もし、共産党がそのように考えていないなら、参院選の公約として掲げた政策法案によってどのような効果が生じるかを理解・認識できていないことと同じです。この場合も軽視できない事態だと言わざるを得ないでしょう。

 

日本共産党によるツイート

 共産党がツイートした内容は以下のものです。

画像:日本共産党のツイート

 共産党が「セックスは原則犯罪」を公約ーこんなトンデモ言説が流されています。

 (中略)

 この政策のどこに「全ての性交を違法とする」なんて書いてありますか?

 上述のようにツイートし、共産党が掲げた参院選公約へのリンクを掲載しています。

 共産党が主張するように、「全ての性交を違法とする」との文言は公約には存在しません。しかし、公約の内容を実現するには「セックスを原則犯罪とする」との法改正をすることが不可避です。

 したがって、「共産党が参院選の公約に『セックスの原則犯罪化』を掲げた」との主張は正しい内容と判断せざるを得ないのです。

 

共産党が2019年の参院選で掲げた公約

 弁護士など法律の専門家から「共産党が『セックスは原則犯罪』を公約に掲げた」との指摘が出る根拠となっている文言は以下の部分です。

画像:2019年参院選での共産党の公約

 「強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」の撤廃と同意要件の新設」の部分が主張の根拠です。

 『同意要件』が存在するということは「『同意』という要件を満たした場合に限り違法性を退ける」という意味です。つまり、「セックスは原則違法である行為だが、『同意』が存在する場合は違法性を阻却する」と共産党は公約で書いているのです。

 これはトンデモ言論ではなく、共産党が参院選公約で記載している内容を法律で規定しようとすると上述のようにならざるを得ません。“共産党の公約がもたらす効果” を直接的に指摘しただけであり、共産党からのクレームは筋違いと言えるでしょう。

 

「同意の存在」が無意味であることは『AV 強要問題』で証明済みである

 また、「共産党が掲げる『同意要件』は無意味」と断言できます。『同意』が存在する場合は違法性を阻却できるはずですが、一方が「無理やり同意させられた」と後になって主張すれば犯罪となります。

 その代表例が『AV 強要問題』でしょう。出演契約という形での『同意』があったにも関わらず、「同意は無効」とされたからです。

 共産党の辰巳孝太郎議員は「加害を疑われている者が同意を得るための段階を踏んだかを証明せよ」と参院・予算委員会で主張しています。

画像:辰巳孝太郎議員(共産党)が行ったツイート

 辰巳議員の主張は『推定無罪の原則』に反するものです。刑法では「疑わしきは被告人の利益に」が原則であり、証拠を示すことができなければ有罪判決を下すことはできません。

 しかし、共産党は真逆の要求をする現職の参院議員が在籍している上、その要求を実現するための公約を掲げている有様です。これは致命的と言わざるを得ないでしょう。

 

 もし、共産党が「『セックスは原則犯罪』とは考えていない」と主張するなら、公約の内容を訂正しなければなりません。なぜなら、現公約の内容が『セックスは原則犯罪』となっているからです。

 公約に掲げられた内容の不備であるなら、速やかに修正する必要があるでしょう。開き直りは逆効果です。

 法案化によって現実に起き得ることを指摘されているのですから、指摘された水準の返答・対応をすることが求められていると言えるのではないでしょうか。