沖縄タイムスが「定員に余裕があるのだから全員を高校に入学させろ、行き場のない若者を生み出すな」と無責任な主張を展開

 沖縄タイムスが「沖縄県内で定員に余裕がある中で不合格者が数多く発生し、行き場のない若者が生み出されている」と嘆く記事を掲載しています。

画像:記事を紹介する沖縄タイムスのツイート

 この主張は問題ありと言わざるを得ないでしょう。なぜなら、高校で行われる高等教育は義務教育ではなく、学力に基づく選抜が必要不可欠だからです。

 必要な学力を持たない人物の入学を認めると、教育機関としての質が低下するという現実に目を向ける必要があると言えるでしょう。

 

 定員内不合格者は2018年度入試で174人、17年度は167人だった。昨年の本紙の調べでは、沖縄は定員内不合格者数が九州他県に比べて、2〜6倍多いことが分かっている。行き場のない若者を生み出す要因になっているとの指摘もある。

 合否判定基準は学校によって異なり、平敷教育長は「能力適性などを備えた人を選抜している」と説明。一方で「子どもたちに学ぶ機会を提供するのは重要なので、できる限り入学を認めていくようにしたい。入試の在り方をいろいろな観点から検討したい」と話した。

 

義務教育の理由内容を理解できていない学生を「高等教育の場」に入れることの意味はあるのか?

 沖縄タイムスが取り上げた問題は「高校受験生が学力選抜試験の合格水準に達していなかった」という点に文句を言っているだけです。

 高校は義務教育ではありません。また、更生施設でもありません。「高等教育を行う教育機関」であり、教育を行う上で必要となる学力を有しているかを事前に確認することは当然と言えるでしょう。

 もし、これを実施しないと “必要な学力を持っていない生徒” へのフォローが必要になります。つまり、現場の教員に追加負担を強いることになるのです。しかも、要求されているのは「中学校までの義務教育で習得することが可能な知識」です。

 必要な知識を習得していない受験生を「定員に達していないから」との理由で入学させたところで、高校の授業から遅れるのは時間の問題です。要求自体が論外と言わざるを得ないでしょう。

 

沖縄タイムスが「中卒採用」という形で “行き場” を作ってあげれば良い

 「若者の行き場がない」と嘆くなら、沖縄タイムスがそのような若者たちのための “行き場” を作ってあげれば良いことです。

 例えば、『中卒採用』という形で雇用を作れば、若者たちの行き場は生まれます。入試という能力選抜試験に否定的な沖縄タイムスですから、入社を希望する学生を選抜するような真似をすることは絶対にないでしょう。

 沖縄タイムスで勤務しながら、希望者は夜間高校に通学できるよう配慮する。もし、「大学でジャーナリストを勉強したい」との希望を受ければ、休職を認めて送り出してあげれば良いことです。

 この形を機能させれば、「若者の行き場を作り出した成功例」として大きく宣伝することが可能です。教育現場だけに負担を押し付けるのではなく、まずは沖縄タイムスが “若者の行き場” を作るために汗をかく必要があるはずです。

 

 時代の流れに取り残されつつある中高年社員よりも、伸びしろのある若者を雇用した方が合理的です。また、人件費も大きく抑えられるのですから、沖縄タイムスが「高校受験に落ちた若者を雇用する意味はある」と言えるはずです。

 教育現場の質の低下を問題視していないのですから、新聞社の質が低下することもないでしょう。まずは『中卒採用』という形で沖縄タイムスが全国よりも高い失業率を改善する一手を打つべきと言えるのではないでしょうか。