本田圭佑、マイク・グリーンウェル級の短期間でフィテッセを退団

 オランダ1部リーグのフィテッセに所属する本田圭佑選手がチームから退団したとフィテッセが公式ウェブサイトで発表いたしました。

 加入時にはスルツキ監督という “後ろ盾” がありましたが、成績不振で辞任しており、「残る価値はない」と本田選手が判断したのでしょう。ただ、実力を発揮できていたとは言い難く、「シーズン前の状況に戻っただけ」とも言えるでしょう。

 

本田圭佑がフィテッセで残した成績

 11月にオランダ1部・エールディビジのフィテッセと契約を結んだ本田選手が出場した試合で残した成績は以下のとおりです。

  • 出場4試合(先発は3試合)
  • 270分のプレー時間
  • その間のチーム成績は1勝1分2敗
  • 0ゴール0アシスト

 契約を結んだのは11月上旬でしたが、その後に国際Aマッチデーによる中断期間が設けられていたため、事実上のデビューは11月24日に行われた第14節ロッテルダム戦でした。

 ロッテルダム戦からの4試合で上述のパフォーマンスですから、フィテッセに残っていたとしても「控え選手」になる可能性が濃厚です。ですから、双方合意による契約解除で新天地を模索する決断を下したのでしょう。

 

見返す前に現実を突きつけられた感は否めない

 フィテッセとの契約直前に本田選手は「何回俺に見返されたら気が済むんかわかってないみたいやから」と批判的な声の持ち主を煽っています。

 ただ、批判者を見返すまえに「現実」を突きつけられたことは否めません。

 本田選手が言う “競争力の高いリーグ” がどのなのかは不明ですが、「オランダよりも競争力が高い」と一般的に見られている「欧州5大リーグ」で本田選手の『選手としての実力』を評価するクラブは皆無と言えるでしょう。

 なぜなら、ステップアップの舞台とみなされているオランダリーグで周囲の選手を圧倒するだけの違いや存在感を見せつけることができなかったからです。したがって、お声がかかるにしても “マーケティング要員” としての意味合いが大きく、選手としての評価がされるかは微妙と言わざるを得ないでしょう。

 

日本代表のアギーレ元監督の “コネ” を使ったスペイン1部レガネス入りには『外国人枠』が立ち塞がる

 日本国内では「(本田選手は)スペイン移籍を目指す」と報じられ、具体的な候補として日本代表の監督と務めたハビエル・アギーレ氏が監督を務めるレガネス(スペイン1部)の名前が出ています。

 しかし、移籍は簡単ではないでしょう。なぜなら、スペインには『外国人枠』が存在するため、それが日本人選手の障壁となっているからです。

 レガネスは3勝4分11敗の勝点13で19位。テコ入れが必要なのは事実です。ただ、アギーレ監督が途中就任した第13節以降の成績は2勝2分2敗で勝点8を稼いでおり、効果は出ている状況です。

 しかも、本田選手にとって厄介なのは「『外国人枠』の3選手がチームにとって欠かせない立場にあること」です。

 アギーレ監督就任後は3バックで結果を残しているレガネスですが、主力 DF の2人はナイジェリア人選手(= オメルオ選手とアワジーム選手)です。また、1トップでチームの攻撃を牽引するエン=ネシリ選手もモロッコ人のため『外国人枠』での登録ですから、本田選手が彼らに代わって登録される可能性は現実的にはないでしょう。

 したがって、現状は本田選手(の代理人)サイドが「レガネスからの興味がある」と装うことでスペイン方面からの “本当のオファー” を得るための宣伝活動だと考えられます。

 

 今シーズンが始まる前の状況に戻ったと見なす必要がある本田選手が目標とするオリンピック出場を達成するには「残り半年で1シーズン分の大活躍をすること」が必要不可欠です。冬に加入したチームで即座に適応する選手は極めて稀であることから、「潮時」と言わざるを得ないのではないでしょうか。