自衛官の偽造 ID カードを保持していた中国人が逮捕、スパイ活動が容易にできる環境があることが浮き彫りに

 陸上自衛官の ID カードを偽造した容疑で中国人留学生が逮捕されたと NHK が報じています。

 容疑者は「ID カードを作ってもらった」と主張しているため、カードの作成者は別にいると見るべきでしょう。ただ、誰が作ったにせよ、自衛官の偽造身分証が出回っていることは安全保障上の問題です。

 偽造身分証を意図的に悪用することが可能な状況にあるのですから、対策を講じる必要があると言わざるを得ないでしょう。

 

 逮捕されたのは東京 台東区に住む中国籍の専門学校生、王詩超容疑者(23)です。

 警視庁によりますと、去年8月、防衛省が発行する「陸上自衛官身分証明書」を何者かと共謀してプリンターなどで偽造したとして、有印公文書偽造の疑いが持たれています。

 (中略)

 調べに対して王容疑者は「サバイバルゲームで自衛官にふんする際に持っていた。チャットグループで知り合った中国人に作ってもらったが、自衛官に成り済ます目的はなかった」と容疑を一部否認しているということです。

 

「偽造集団から購入したこと」より「偽造集団に『自衛官の ID カード』が流出していること」の方が問題

 逮捕された中国人留学生は『偽造された自衛官の ID カード』を保持していたことは認めています。容疑者は「サバイバルゲームで自衛官に扮するために持っていた」と供述していますが、信憑性には疑問が残ります。

 なぜなら、サバイバルゲームの際に『ID カード』が必要になることは稀だからです。

 むしろ、サバゲーよりもコミケなどでコスプレを行う際の方が『ID カード』は重要度は高いと言えるでしょう。それよりもスパイ活動に悪用できるツールであることが問題と言わざるを得ません。

 (中国人の)チャットグループで “発注” すれば、『発注者の顔写真が入った自衛官の偽造 ID カード』が簡単に入手できていまうのです。逮捕された中国人留学生がスパイである確証は現時点ではありませんが、本物のスパイは同等以上の質の『偽造 ID カード』を悪用していると見るべきでしょう。

 そのため、それに応じた対策を講じる必要があるはずです。

 

中国のように『外国のスパイ』には厳しく対処すべき

 スパイは情報を秘密裏に抜き出したり、意図的な情報で世論を煽動することが役割となります。世論を煽る際に現地にいる必要性はありませんが、情報を抜き取る際は現地で活動できた方が何かと便利です。

 その際に『ID カード』は重要な役割を果たします。世間一般に詳細が知れ渡っていない身分証明書が偽造され、悪用されることで社会が受ける被害は甚大です。安全保障に直結する訳ですから、厳しい対処が必要なのは当然のことなのです。

 『紙幣』と同様に危機感を持つ必要があるでしょう。

 『紙幣』には偽造を防止するためのホログラムなど複数の技術が用いられています。『ID カード』にも同様の対策が施されているはずですが、『本物に似せた偽造 ID カード』を保持していることについてはスパイとして厳しく罰することができる法的根拠を整えておく必要があるはずです。

 中国は『スパイ防止法』を導入して、厳しい処罰を科しています。「同じ基準の刑罰」まで導入することには反発が起きるでしょうが、「同様の行為を取り締まれる法整備」は導入を見送る必要はないはずです。政治が動かなければならない状況にあると言えるでしょう。

 

 国際化が当たり前となり、社会を取り巻く環境が大きく変わった現代で『昔のままの法律内容』がいつまでも通用することはありません。不備は生じてしまうのものですから、時代の流れを見た上で適宜修正していく必要があります。

 生物が変化をすることで環境に適応するように、不都合が生じている法律には政治が修正するための音頭取りをする価値はあると言えるのではないでしょうか。