立憲民主党・山崎誠衆院議員、「くじ引きで選ばれた国会議員5名が自衛隊の海外派遣に加わるべき」と現実を無視した問題ツイートを行う

 立憲民主党の山崎誠衆院議員(比例東北)が「自衛隊の海外派遣にくじで選ばれた5名の国会議員が最前線に加わるべき」とのツイートを行っています。

 一般人が自衛官と同じ基準の任務に当たることは不可能です。「希望者」ではなく、「くじ引き」で最前線での任務に加わる国会議員を送りこもうとしているのですから、嫌がらせ以外の何物でもないと言えるでしょう。

 

立憲民主党・山崎誠衆院議員のツイート内容

 山崎議員が行ったツイートの内容は以下のものです。

画像:山崎誠衆院議員のツイート

 自衛官の皆様に接するたびに思う。自衛隊の海外派遣について提案。自衛隊を海外に派遣する際には、総理大臣を含む全国会議員からくじ引きで選ばれた5名の議員が最前線の任務に同行すること。当然、自衛官の皆さんと同じ立場で参加、警護などの対象とはしない。自衛官の皆様の活動に政治が責任を持つ。

 「自衛官の皆様の活動に政治が責任を持つ」の部分を主張したいのでしょうが、口先だけであることは明らかです。

 部隊として動く組織に「素人」が加われば、組織が機能不全を起こすことは目に見えています。しかも、最前線での任務に当たるのではなく、「同行」するだけなのです。

 また、シビリアン・コントロール(= 文民統制)を無効化する動きにもなり得る主張内容です。明らかな失言であると言わざるを得ないでしょう。

 

自衛隊のような軍組織は文民統制の原則を遵守しなければならない

 山崎議員の主張で問題なのは「文民統制を瓦解させる恐れのある」という点です。

 自衛隊のような軍隊組織は国家が持つ “唯一の合法的武装組織” であり、暴走を防ぐことが重要項目です。そのため、ほとんどの国で「軍の行動」を文民(= 軍人ではない民間人)が統制権を持つという形で制限を設けているのです。

 ところが、山崎議員が主張する形で国会議員が自衛隊の最前線に同行してしまうと、『文民統制』の垣根が取り払われてしまいます。

 つまり、軍の行動に対する歯止めがかかりにくくなるのです。「戦争して北方領土を取り返す覚悟はあるのか」と可能性を言及して大バッシングを受けた丸山穂高議員の発言に勝るとも劣らない問題発言だと言えるでしょう。

 

「自衛隊の活動に政治が責任を持つ」なら、韓国海軍による火器管制レーダー照射問題に正面から取り組め

 「自衛隊の活動に政治が責任を持つ」という政治姿勢は支持されるでしょう。ただ、有言実行しなければ、意味のないことです。

 そのため、韓国海軍の駆逐艦による自衛隊への火器管制レーダー照射問題が立憲民主党および山崎議員に対する “踏み絵” となるはずです。

 『自衛隊が通常行っている哨戒活動』に対し、韓国軍が攻撃意図を示す行為をしたのです。自衛隊を統制する立場の国会の一員である山崎議員は政治家として「責任の一端」を背負わなければなりません。

 しかし、立憲民主党は火器管制レーダー照射問題に沈黙を貫いています。自衛隊の通常任務に対する責任を持たない政治家や政党の発言は論外と言わざるを得ません。思い付きによる発言なら、猛省すべき内容です。

 

 同行した政治家が “お荷物” になるのは目に見えています。責任を持つなら、日頃から慰問という形で自衛隊を労うべきです。海外派遣に国会議員が同行することがどれだけ馬鹿げているかは「自衛隊の災害派遣にくじで選ばれた国会議員5名が同行する」と言えば理解できるでしょう。

 自衛隊を運用するにもコストはかかっているのです。「同行する国会議員のお守り」は任務外であり、最前線の現場に余計な負担を増やすだけです。国会議員の仕事は「パフォーマンスではない」との認識を山崎議員は持たなければならないと言えるのではないでしょうか。