毎日放送(MBS)の役員が新型コロナで死亡、3月の連休前に局アナが「自粛は意味不明」と “挑発” していた事実は消えない

 大阪のキー局である毎日放送(MBS)の60代男性取締役が新型コロナウイルスで死亡したとスポーツニッポンが報じています。

 MBS は西靖アナウンサーが3月の3連休を前に「西宮市在住の私が神戸に行くのは OK で大阪はダメなの?」と政治立場的に敵視する『大阪維新の会』の首長を “挑発” するツイートをしていました。

 つまり、MBS は新型コロナウイルスの感染拡大を深刻に捉えていなかったのでしょう。9日に亡くなった取締役の男性が感染する確率を下げることはできた可能性があっただけに報道方針による代償を支払うことになったと言うこともできるでしょう。

 

 毎日放送(MBS、大阪市北区)は9日、今月7日に新型コロナウイルス感染が確認され、肺炎と診断されて入院していた60代の取締役の男性が同日、兵庫県西宮市内の病院で死亡したと発表した。

 3月26日午後から咳と微熱の症状があり、いったん症状は治まったものの、再度発熱。3月31日午後から自宅で休養していた。4月4日に西宮市内の病院でPCR検査を受けるとともに、肺炎と診断されて入院した。

 (中略)

 同社は7日、感染を公表。「症状が治まっていた間、数日にわたり出社して社内外の関係者と接触していたことから、本人の行動について詳しく調査し、接触があった方々には個別に連絡を取っています」

 

「自分たちは感染しない」という過信が毎日放送(MBS)にはあったのだろう

 ちなみに亡くなった男性取締役の発症歴や受診歴をカレンダー上に図示すると以下のようになります。

画像:男性取締役の行動履歴

 最初に風邪の症状を自覚したのは3月26日で、症状が治ったことを理由に出社したことを MBS が認めています。つまり、3月最後の土日の時点では MBS も男性取締役も「新型コロナウイルスではない」との判断を下していたと言えるでしょう。

 これは同局の西靖アナウンサーが「大阪府および兵庫県を対象にした他府県との往来自粛要請」に対するツイートからも読み取れるからです。

画像:西靖アナウンサーのツイート

 「大阪や兵庫での(新型コロナの)感染は拡大していない」という認識がなければ、上記のような主張はできないでしょう。しかし、その認識は誤りだったのです。

 MBS では4月初旬までは「実質的にノーガード」の扱いで取材活動や番組制作をしていた疑いが強いのですから、MBS など在阪メディア経由での感染拡大が4月中は散発する恐れがあると考えられます。

 

MBS の煽りに世間が同調していたら、男性取締役は4月4日の病院受診すらできなかっただろう

 もし、MBS などのマスコミによる “煽り” に世間が流されていたなら、医療崩壊は既に深刻な状況となっていたでしょう。ちなみに、医療崩壊とは以下の状況のことを指します。

  1. 新型コロナの感染患者が病院にあふれ返る
  2. 新型コロナの感染患者への対応で通常医療に支障が出る
    • 外来の閉鎖
    • (手術などの)予定や予約の延期
    • 救急の受け入れ停止など

 「人工呼吸器が足りない」という状況が『医療崩壊』の事例として紹介されていますが、「通常の医療サービスの提供に支障が生じること」も『医療崩壊』です。

 この認識がない議論はナンセンスと言えるでしょう。「新型コロナかもしれないから検査してくれ」と正規の手続きをしない患者が押し寄せると、陽性反応者が出た時点で “対応した医療従事者” は「院内感染による被害の最小化」を理由に『隔離』となります。

 つまり、それだけ現場で対応できる人員を強制的に戦線から離脱させる訳ですから、「感染していないこと」の保証を求める人々が検査機関や医療機関に殺到する事態を避けることが重要と言わざるを得ないでしょう。

 

絶対数が万単位になる「(新型コロナへの)感染が心配な人」と “ごく少数” の「体を壊した人」のどちらを優先するかという話

 マスコミが「新型コロナウイルスへの感染が心配な人全員に検査をすべき」と主張するのは商売的に大正解です。なぜなら、絶対数が多いからです。少なくとも百万人単位でのニーズがあるでしょう。

 「(これだけ不安を訴えているのに)検査をしてくれない」との “悲鳴” を上げる人に対処すればするほど、本当に医療サービスを受ける必要だった人は後回しになり、場合によっては命を落とす結果になります。

 そちらのカテゴリーに入る人々は全体で見れば、ごく少数です。ですから、無視することは「ビジネス的に合理的」と言えます。

 ただ、体を壊すリスクは誰にでもありますし、交通事故や事件に巻き込まれるリスクも同様です。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が急激に進むと医療従事者が自らの防護することができず、病院機能が麻痺して医療どころではなくなってしまうのです。

 不安を煽り、政府の方針に文句を言うだけで「感染拡大の抑制に必要な情報」を積極的に繰り返し発信しないメディアは用済みの烙印を押されることになるのではないでしょうか。