志村けんさんが新型コロナで入院したことを機にマスコミが「感染拡大のリスク」と「個人でできる対策」を正確に伝えて欲しい

 タレントの志村けんさんが「重度の肺炎」と診断された後に新型コロナウイルスの『PCR 検査』でも陽性反応が出たと所属事務所が発表しています。

 志村さんを始め新型コロナウイルスを罹患した人々の1日も早い回復を願っていますが、それと同時に「新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた取り組み」を引き締め直す必要があると言えるでしょう。なぜなら、感染経路が不明な症例が散発的に発生しているからです。

 

「志村さんが感染したこと」より「志村さんへの感染経路が不明なこと」の方が問題

 志村さんの発症事例をカレンダー上で表記すると以下のようになります。

画像:志村さんの発症例

 発症日となったのは3月17日。志村さんは倦怠感の症状があったため、この日から自宅静養をしていたと所属事務所が発表しています。

 したがって、17日以降に志村さんと濃厚接触をした人は極めて限定的です。そのため、志村さんが感染源になった可能性は限りなくゼロに近いと言えるでしょう。

 ただ、厄介なのは「志村さんがいつ新型コロナウイルスに感染したのかが分からない」という点です。新型コロナの潜伏期間は平均で5日。最長では14日と見積もられています。

 つまり、“3月以降に志村さんと一緒にいた人” が『志村さんと同じ感染経路』で新型コロナを発症しているはずなのです。しかし、その経路が現時点では不明なのです。そのため、封じ込め対応に遅れが生じることは止むを得ないと言えるでしょう。

 

他人事だったテレビ局も少しは緊張感を持つことになるだろう

 テレビ番組に多数出演する著名人の志村さんが感染したことが発表されたため、テレビ局も他人事ではいられなくなったと言えるでしょう。

 メディア産業は「自分たちは新型コロナウイルスに罹患しない」との油断が蔓延していたと言えるからです。

 日本テレビの男性社員(50代)は3月7日からのスペイン旅行で感染、朝日新聞は女性編集委員が3月18日に台湾入りして隔離日記を投稿するなど無頓着なままでした。

 『自粛』に飽きたのはマスコミであり、それを「自粛疲れ」と称して『結論』を導くためのコメントを街中で探していたのでしょう。ただ、志村さんのような著名人の感染が明らかになったことでマスコミも他人事では済まなくなりました。

 なぜなら、志村さんが仕事中に感染していた場合、志村さんの周囲にいたテレビ局員などのマスコミ関係者も感染していることが現実味を帯びたからです。

 「世間は大変なことになっている」と “世間離れ” した論調を出しているマスコミも「世間に含まれている」という当たり前のことに気づくマスコミ関係者も出てきたはずです。そのため、今後の報道内容が問われることになるでしょう。

 

パニックを煽る報道をする “バカなマスコミ” を野放しにすると、社会的損失は甚大になる

 マスコミが「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために個人ができること」を正確に繰り返し何度も報じると社会への損失は最小限に留まるでしょう。しかし、これは望み薄です。

 理由は「危険を煽った方が儲かる上、政権批判も可能になるから」です。要するに、煽る報道をした方がメディアは全部門で目的が達成される状況にあるのです。

 大騒ぎをするほど買い占めなどが起きるため、それが(社会部の)ニュースになります。また、患者数が増えれば「政権の対応は失敗した」と(政治部が)批判する根拠も生まれます。

 医療崩壊が起きようものなら、野党と共に倒閣へと突き進むことでしょう。

 『PCR 検査』を積極的に実施させて患者数を激増させれば、日頃から過剰労働で苦しく医療現場を崩壊させることは朝飯前です。

 しかも「安倍政権下で医療崩壊が起きた」との大バッシングを国内外のメディアと連携してできるのですから、不安を煽る “バカなマスコミ” が脅威になるのは「これからが本番」です。

 

 「罰則規定のない要請」には効果が期待できないのですから、罰則は必要ですし、適応しなければ誰も要請に従いません。

 『第4の権力者』となったマスコミが「正確な情報を繰り返し伝えてパニック発生を抑制する」という本分を忘れているなら、国営放送の導入をせざるを得ないのではないでしょうか。