韓国 LG のインド工場で大規模なガス漏れ事故が発生、少なくとも11名が死亡し地元警察が業務上過失致死傷での捜査に乗り出す

 BBC によりますと、インド東部のベンガル湾に面するビシャーカパトナムにある韓国・LG ポリマーの化学工学でスチレンガスが漏れ出す事故があり、少なくとも11名が亡くなったとのことです。

 新型コロナウイルス感染拡大を抑制するためのロックダウンが解除されたことで操業を再開させた際に発生したと報じられており、運用における問題があった可能性が高いものと考えられます。

 

 The leak at the site, owned by South Korean company LG Chem, occurred early on Thursday morning in the city of Visakhapatnam, Andhra Pradesh state.

 Hundreds were taken ill and rushed to hospital, while thousands were evacuated from surrounding villages.

 The dead include four women, two children, both girls, and five men.

 Officials said most of those who were admitted to hospital on Thursday have since been discharged. Some 120 people are still being treated, but are stable.

 

数百人単位が病院に搬送され、数千人単位で村人が避難する事態に

 事故が起きたのはインド東部にあるビシャーカパトナムという街です。ここに韓国の LG ポリマーが化学工学を保有しており、スチレンガスなどを製造していました。

 インドでも新型コロナウイルスの感染が拡大をしたためにロックダウンによって該当の工場は3月24日から操業は停止していたのですが、解除されたために再稼動をさせたところでガス漏れ事故が発生したという流れです。

 この事故で数百人単位が病院に搬送され、数千人単位で村人が避難する事態となりました。7日(木)の時点で多くが退院し、治療中の120名も容態は安定していると BBC は言及しています。

 ただ、11名が亡くなっていますから、“些細な事故” として処理することは問題と言わざるを得ないでしょう。

 

業務上過失致死傷の疑いで当局が捜査に乗り出す

 「現地当局は LG ポリマーを業務上過失致死傷で起訴した」と報じられています。

 インドは1984年にボパールの化学工場でのガス漏れ事故で1万5000人から2万5000人が亡くなる悲劇に見舞われており、現在も傷跡が残っていることから、同様の事故で当局が訴追に乗り出すのは当然と言えるでしょう。

 事故は起きないに越したことはありません。ただ、何らかの不具合や問題が発生することは不可避であり、その場合の被害を最小限するための対策が講じられていたかを確認することは必要です。

 その上で、定められた手順に従って運用(=今回の場合は操業再開の手順が採られていたか)を査定する必要があります。

 『問題のあることが後になって判明した運用方法』に従って仕事をしていた現場が責められるのは間違いです。同様の問題を再発させないためには「原因の特定して効果のある防止策を講じること」が必須であり、それができるかがポイントと言えるでしょう。

 

 韓国企業は2018年7月にラオスで水力発電用ダムの決壊事故を起こしており、「大雨が原因の不可抗力」との主張は退けられています。

 「途上国なら賠償金は安い」という面はありますが、多国籍企業が持つべきコンプライアンス意識としては大きな問題です。こうした “雑な仕事” を平気ですから、『韓国』のブランド力が上がり切らない現状を見直すべきなのではないでしょうか。