在日アメリカ軍の行動制限で “基地の需要” に依存していた沖縄で阿鼻叫喚の事態が発生、『基地反対派』が救済に当たるべき

 琉球新報によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて在沖アメリカ軍が行動制限を設けたことで基地の近くにある飲食店などの経営が立ち行かなくなっているとのことです。

 沖縄では『反基地運動』が展開されているため、“活動家が求めて続けて来た状況” が実現する結果となったのです。

 「基地の需要を相手にした商売からの転職」などをサポートして来たはずですから、支援の手を差し伸べるのは反基地運動を展開する活動家(や理解を示す沖縄県)であるべきです。「米軍基地を相手にした商売をする方が悪い」と言うなら、それを明言することが責務と言えるでしょう。

 

 新型コロナウイルスの影響に伴う米軍の行動制限で、街からは米兵たちの姿が消えた。県民の利用自粛も重なり、店舗からは「家賃も払えない」と悲鳴が上がる。

 第18航空団や第3海兵遠征軍は4月に入り軍人や軍属、家族らの基地外での行動を制限し、公共交通機関や飲食店の利用を禁止した。

 (中略)

 複数の感染者が出た嘉手納基地では「基地内外の行動ガイド」を打ち出し、軍人や軍属に加え基地内で働く日本人従業員の行動も大幅に制約した。基地外にある飲食店の利用にとどまらずテークアウトも禁止したため、周辺の経営者らは「家賃が払えない」「規制解除後も米兵が戻ってくるか心配だ」と口をそろえる。

 

「在沖アメリカ軍の基地内で経済が完結されてしまうこと」が最大の懸念事項

 沖縄県は「米軍基地はいらない!(なぜなら、観光業で賄えるから)」との姿勢をアピールして来ました。ところが、コロナ禍によって観光客だけでなくアメリカ兵までも街から姿を消す事態になってしまったのです。

 これは沖縄経済にとって大きな痛手と言わざるを得ないでしょう。

 兵士は共同生活が一般的であるため、軍は「外部から新型コロナウイルスが持ち込まれる可能性」を極力排除する方針を採ります。そうしないと戦力が削がれてしまうことになり、これは許容できることではないからです。

 その結果、アメリカ軍基地内で『ブロック経済』の形成が進むことになります。要するに、基地の外での消費活動が “基地の内部” で完結することになるのです。

 この行動変容が “アメリカ軍兵士だけ” なら、まだマシです。しかし、「基地に新型コロナウイルスを持ち込むな」という『至上命令』がありますから、対象者は “アメリカ軍基地に出入りする全員” にまで拡大します。

 命令違反は「雇用関係の打ち切り」に直結するのですから、基地で働く日本人従業員の行動にも大きな影響を与えることになります。「沖縄は基地に依存した経済ではない」と宣言していたのですから、その真価が問われている状況が意図せず訪れたと言えるでしょう。

 

反基地運動に注力していた活動家(や沖縄県)は本件に対する見解を表明すべき

 アメリカ兵は若くて健康な男性(とその家族)が中心ですから、消費力は軽視できるものではありません。特に飲食業やレクリエーション業にとってアメリカ兵は「上顧客」と言えるでしょう。

 しかし、反基地運動を展開する活動家やそれに理解を示す沖縄県が望んでいた『米兵が街にいない沖縄』が実現したのです。

 活動家の主張どおりの沖縄が実現した際には『アメリカ兵を相手にしたビジネス』が行き詰まるのは当然でした。そのため、「そうなった場合のリスクに備えていない方が悪い」もしくは「他の就職先を斡旋するから転職すべき」などの見解を示すべきでしょう。

 ここで何も見解を示せないのであれば、それは「アメリカ軍基地がなくならないことを前提にした反対パフォーマンスをする集団」と何も変わりありません。

 誇らしげに勝利宣言をするか、厳しい状況に置かれた人に寄り添うかのどちら側であるかを明らかにする責務があるはずです。

 

毎年3000億円の地域振興予算を受け取っている沖縄県の真価が問われているに過ぎない

 経済の落ち込みは全国共通ですが、沖縄県は毎年3000億円規模の地域振興予算を手にしています。“地域振興” のために予算を適切に使っていれば、県の経済が被る損失は最小限にすることができるでしょう。

 他の都道府県が羨むほどの収入を手にしていながら、「追加の補助が欲しい」という要望はあまりに無責任です。

 「これまで受け取って来た地域振興予算を沖縄県の経済が独り立ちできるように使われて来たか」が白日の下で査定されることになったに過ぎません。

 「米軍基地の沖縄経済への寄与は少ない」という立場を採り続けて来たのですから、“口先だけではなかったこと” を実証すれば良いだけです。沖縄にとっては難しいことではないと言えるでしょう。

 もし、「地域振興予算を増額して欲しい」という要望が出る場合は「地域振興の必要があるのは全国一律で同じ」と返答することが必要です。沖縄県だけを特別扱いする必要も余裕もないため、厳しい姿勢で臨む必要があると言えるのではないでしょうか。