福島への風評被害を煽り続ける女性自身と和田秀子氏

 雑誌『女性自身』が “被ばく清掃” という悪意に満ちた記事を掲載し、物議を醸しています。

画像:『女性自身』による物議を醸したツイート

 執筆したのは東京在住の女性ライター和田秀子氏です。清掃活動を行っている団体に対する誹謗中傷が過去に発生していることも報じられており、和田秀子氏による記事はそれと同じ愚かな内容と言えるでしょう。

 

 『女性自身』を発行する光文社は『女性自身』を “NO.1国民的週刊誌” と宣伝しています。全国の女性の「見たい・知りたい」に応えていくそうですが、風評を撒き散らす悪質な記事を求める女性が多いのであれば、女性の社会進出など非現実的なこととなります。

 デマを鵜呑みにしてしまっては責任のある役職で結果を出すことは不可能だからです。ミスを権限で誰かに押し付けることはできますが、一時しのぎであり、周囲から理解者がいなくなるからです。

 和田秀子氏が執筆した “被ばく清掃” という文言を疑いなく掲載した光文社や『女性自身』編集部の責任も問われることになるでしょう。

 「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」という団体が測定した地表面の放射線量を根拠に福島への風評を煽っているのです。「地表面の放射線量」と「空間線量」の違いが理解できていないのですから、デマと糾弾されて当然です。

 

 例えば、ラドンが含まれる温泉地で「地表面の放射線量」を測定すれば、和田秀子氏などがリスクを訴えている福島県での測定された数値かそれ以上の値が容易に検出されることでしょう。

 

 そこで放射線による健康被害が起きているかと問われれば、答えはNOです。もし、起きているのであれば、地元住民や温泉施設の従業員に症状が現れているはずです。また、温泉地ビジネスが成り立たなくなっているはずです。

 しかし、現実には問題とは認識されていません。その理由は人体への影響としては「空間線量」で判断されるからです。

 動物のフンに顔を近づけて匂いを嗅げば臭いと感じます。しかし、日常生活で野良猫のフンに顔を近づけ、「悪臭が問題だ」と騒ぐ人はいないでしょう。“糞害” として問題になるのは日常生活に支障が出るほどの量や匂いがあることが前提になっているはずです。

 

 では、現在の福島県内での「空間線量」がどうなっているのかを確認することにしましょう。放射線モニタリング情報が常時提供されていますので、現在の数値を確認することが可能です。

 『女性自身』は広野町二ツ沼公園で 0.75 μSv/h (地表面の放射線量)と書きましたが、「空間線量」は 0.103μSv/h (2016年10月31日19時00分測定)です。どれだけ、都合の良い数値を抜き出しているかは明らかと言えるでしょう。

 もし、本当に危ないのであれば、「空間線量」でも示されているはずです。しかし、放射線問題を訴える人々は「空間線量」のことには一切言及しませんし、その指摘に対して耳を傾けることもありません。

 その理由は下表を見ると明らかになるでしょう。

 

表1:世界主要都市における空間放射線量
都市名数値
(μSv/h)
測定日
ソウル
(韓国)
0.118 2016年10月5日
ロンドン
(イギリス)
0.114 2016年10月4日
シンガポール
(シンガポール)
0.100 2016年10月4日
香港
(香港)
0.080
〜 0.150
2016年10月5日
台北
(台湾)
0.079 2016年10月5日
ベルリン
(ドイツ)
0.076 2016年10月5日
北京
(中国)
0.072 2016年10月5日
ニューヨーク
(アメリカ)
0.045 2016年10月4日
パリ
(フランス)
0.043 2016年9月28日
航空機内
(高度12000m)
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 東京都環境局が世界主要都市で測定された放射線量の数値を海外向けに公表しています。この事実を突きつけられると、『女性自身』や和田秀子氏は反論する術を持ち合わせていないため、「空間線量」を頑なに見ようとしないのでしょう。

 彼らが不安を煽りたい福島県で測定される「空間線量」の値は韓国・ソウルやイギリス・ロンドンよりも低い地域がほとんどなのです。

 『女性自身』が韓流スターを格好良いと持ち上げていますし、韓国への旅行を促しているのであれば、それこそ “被爆ツアー” です。航空機内(高度12000m)では 5μSv/h の被爆をするのです。

 往復5時間にも渡り 5μSv/h の被爆をした上に、福島よりも「空間線量」の高い地域へ足を運ぶことを推奨しているのですから、非人道的であることは明らかです。

 

 もし、ソウルでの「空間線量(0.118μSv/h)」は問題がなく、福島での「空間線量」は問題があると主張するのであれば、それは悪意ある差別と同じです。

 日韓友好を訴える各団体や催し物主催者に対し、「被爆観光を推奨するな」と批判の声をあげているでしょうか。「韓流大好き、日韓友好!」と主張する一方で「福島は放射能で危険」と主張していれば、それは差別主義者の主張です。

 『女性自身』はハッシュタグに “原爆” と付け、平然とデマを拡散に勤しんでいるのですから、差別主義者が愛読する雑誌として生き残りを図るのでしょう。

 ロジックで勝てる見込みがないから、相手のコメントを捻じ曲げ、切り取った形で不安を煽るという低次元の憶測記事に成り下がってしまうのです。そうなると、資質を持った人は敬遠することになるでしょう。そのツケは廃刊か会社倒産という形で速やかに支払って欲しいものです。