“妄想の慰安婦像” の撤去責任が韓国内でたらい回しの状況に

 日韓両国の合意により、ソウルの日本大使館前やプサンの領事館前に設置されている “慰安婦像” を撤去する責任が韓国政府には存在します。

 韓国政府は移転させる責任を地元自治体に転嫁しようと文書を送ったようですが、自治体側は「解決できる問題ではない」と早くも “たらい回し” になっているとNHKが報じています。

 

 文書はユン・ビョンセ外相の名義で、「韓国政府、地元の自治体、市民団体が、少女像を移転する方法についてともに知恵を集める必要がある」として、少女像を移転する必要があると指摘したということです。韓国政府がこの問題で具体的な動きを見せたのはこれが初めてです。

 一方、プサン市東区は「少女像の問題は外交問題になっているうえに、移転については市民からの反発も強い。自治体が解決できる問題ではない」と話しています。

 

 韓国政府の責任で慰安婦像を撤去(もしくは移転)させなければならないのですが、世論を突き上げを受けることは必須であり、完全に及び腰になっています。

 ソウルの日本大使館前に設置されていた像を撤去することに全く動きを見せず、プサンの領事館前に新たに設置することを黙認している有様なのです。日本政府が対抗措置に出ることは当たり前と言えるでしょう。

 二国間の合意事項すら遵守できない国家の面子を日本側が立てる必要性は皆無なのです。

 

 しかし、朝日新聞は事あるごとに「駐韓大使を早期に帰任させよ」と主張しています。これは韓国政府の要望を受けて執筆した “提灯記事” と言えるでしょう。

 朝日新聞の理想と世論が乖離していることが明らかであるため、「両国関係に支障を来たす」としか主張できない状況にあるのです。もし、世論が「駐韓大使を帰任させるべき」との意見を持っている数字を提示できるなら、それを根拠にした記事を使ったキャンペーンを展開しているはずだからです。

 朝日新聞が繰り返し何度も「駐韓大使の帰任」を叫ぶ理由は韓国に対する対抗措置が非常に効き目があると韓国側が自供しているも同然です。

 効果がない対抗措置なら、「遺憾である」との声明文を外務省の報道官が読み上げれば済むからです。相手国のメディアの駐在員に「大使不在であることの問題性」を繰り返し書かせる必要性は皆無と言えるでしょう。

 

 合意事項すら守れないのであれば、互いに尊敬しあうこともできませんし、信頼関係が構築されることもありません。

 一方が合意から1年以上も経過して何も行動を起こしておらず、それによって別の問題が生じたとしても自己責任です。合意事項を遵守した残るもう一方に「相手の事情を汲み取り、配慮すべき」と要求したところで突っぱねられることになるでしょう。

 もし、韓国を一人前の国家として見なしていないのであれば、その主張の根幹にある論理に賛同する人も少しは現れると思われます。

 「韓国は半人前の国家なのだから、大人である日本は韓国が一人前の国になるために忍耐を持つべきだ」と朝日新聞が社説で堂々と主張するなら、賛意を示す人を見つけることはできるはずです。しかし、“そうした対応” が現在を日韓関係を作る原因となったと見なす人が多い現状では、多数派の意見とはならないでしょう。

 

 要は、韓国側が合意事項に基づき、像を移転させれば問題は解決するのです。問題に始めた具体的な行動を起こすことはパク・クネ大統領が大統領職にあった時点で起こすことはできたはずです。

 対応を地方自治体に “丸投げ” した現状を理由に「韓国政府は責任を果たした」と主張するのは無理があると言えるでしょう。政治の世界では結果が重要視されるのです。

 像の撤去(または移設)という “結果” を韓国政府が出していない状況では日本政府が態度を軟化させる必要はないのです。そのことを日本の親韓派は自覚する必要があるのではないでしょうか。