虚偽内容が含まれた朝鮮人虐殺の慰霊式典に東京都が昨年まで追悼文を送っていたことの方が問題だ

 東京都の小池都知事が関東大震災時に虐殺されたとされる朝鮮人を慰霊する追悼文を寄せることをやめたことがわかったと読売新聞が伝えています。

 この決断を一部の左派界隈から批判する声が出ていますが、むしろ昨年まで追悼文が寄せられていたことの方が問題です。なぜなら、この式典には虚偽内容が含まれており、それを政治的に利用しようとする傾向が強くなっているからです。

 

 東京都の小池百合子知事が、関東大震災時に虐殺された朝鮮人を慰霊するため9月1日に開かれる式典に、追悼文を送ることをやめたことが都への取材でわかった。

 式典は市民団体が主催。関東大震災直後に「朝鮮人暴動」のデマが飛び、多くの朝鮮人が虐殺された事件を追悼する目的で、都立横網町公園(墨田区)で毎年開かれている。都知事が追悼文を寄せることが恒例となっており、小池知事も昨年は送付していた。

 

 小池知事が都議会での質問に対し、「慣例的に送っていたものであり、今後は知事自身が適切に判断する」と答弁していました。つまり、(追悼文を寄せることは)適切ではないと判断するだけの根拠があったと見ることができます。

 どの部分が問題となったのかを確認することにしましょう。

 

1:追悼式を主催するのは “親・北朝鮮” の市民団体

 まず、都立横網町公園で追悼式を主催しているのは『9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼実行委員会』と『日朝協会東京都連合会』です。

 主催者の1つである『日朝協会』は “親・北朝鮮” の方針を明確に打ち出し、日本政府の姿勢を批判しています。「拉致問題の解決より、国交樹立を優先せよ」との主張を述べており、良い印象を持たれているとは言えないでしょう。

 「追悼すること」が目的となっているのであれば、都知事が追悼文を寄せることを辞める必要はありません。やめたのには「別の理由」があったからです。

 

2:「虐殺された朝鮮人が6000人あまり」という明らかなデマが刻まれた石碑

 追悼式の会場となっている都立横網町公園には石碑があります。その石碑に刻まれている文言こそ、追悼文が寄せられなくなった原因と言えるでしょう。

 千九二三年九月に発生した関東大震災の混乱のなかで、あやまった策動と流言蜚語のため六千余名にのぼる朝鮮人が尊い命を奪われました。

 私たちは、震災五十周年をむかえ、朝鮮人犠牲者を心から追悼します。

 (中略)

 千九七三年九月

 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼行事実行委員会

 この石碑の中で根拠がないのは「6000人あまりの朝鮮人が虐殺された」という部分です。これでは疑惑が持たれ、主張内容がデマと批判されることは当然です。

  • 関東大震災発生時に被災地にいたと思われる朝鮮人
    • 東京都にいた朝鮮人:約9千人(「現代史資料6」朝鮮総督府警務局文書)
    • 神奈川県にいた朝鮮人:約3千人(人口からの推測値)
  • 震災後の朝鮮人に対する処遇
    • 警察が保護:6千人超(内務省)
    • 日本人に虐殺された:6千人超(市民団体が主張)
    • 震災による死者:ゼロ

 都立横網町公園で追悼式を行っている “市民団体” の主張を当てはめると、10万人以上の死者を出した関東大震災による朝鮮人犠牲者の数はゼロとなるのです。明らかに異様なことと言えるでしょう。

 出稼ぎや学生という立場で来日していた朝鮮人が多かったと推測できますし、ほとんどは多くの死者を出した下町エリアを中心に住んでいたことでしょう。そうした状況であったと想定される中でも朝鮮人の死者がゼロとなることはありえないのです。

 

3:歴史を修正しているのは朝鮮人と活動家であり、小池都知事の判断は正しい

 明らかにデマである「6千人超の朝鮮人が虐殺された」との政治的意図を前面に出している式典に追悼文を寄せることは明らかに不適切です。主張する側が根拠を示せない状況を考慮すると、小池都知事の判断は当然と言えるでしょう。

 政治的な目的が透けて見える式典に東京都知事が追悼文を寄せるということは「お墨付きを与えている」ことと変わりありません。

 むしろ、都立公園の敷地に不適切な石碑が設置されたままの方が問題です。撤去すべき石碑であり、都知事がリーダーシップを発揮すべき案件と言えるでしょう。

 犠牲者数のあからさまな水増しは対立を招くだけです。差別問題に取り組むのであれば、その原因である水増しされた犠牲者数が刻まれた石碑を放置している実態を改める必要があると言えるのではないでしょうか。