武井咲の結婚・妊娠報道でスポンサー企業から違約金が求められるケースは稀だと考えられる

 女優やモデルとして活躍する武井咲さんが結婚・妊娠を公表したところ、一部マスコミから「CM の違約金が多額なる」との定番の “煽り報道” が出ています。

 もちろん、一部の企業からは損害賠償が請求されることが予想されるため、“違約金” と同様の支払いをすることになる可能性があります。しかし、現実にはメディアが報じるような多額な違約金を支払うことにはならないと思われます。

 

1:女性差別を一流企業がするだろうか

 『男女平等』が叫ばれる現代において、「多額の広告費を計上する一流企業が女性差別をするだろうか」という点で考える必要があります。

 もちろん、そうした考えを持つ人・組織はあるでしょう。そのような考えを持つ権利はありますが、そうした考えを表明すると組織にマイナスが出ることは明らかであり、女性の結婚・妊娠をマイナスと判断することは非常に少なくなっているはずです。

 企業には女性社員が働いている訳ですし、彼女たちも結婚・妊娠(そして子育て)をする場合があるのです。つまり、意図的な女性差別をする合理的な理由は存在しないのです。

 

 

2:女性芸能人の結婚・妊娠で違約金が請求されるケースはある

 ただし、企業の広告塔を務める女性芸能人の場合は別です。業種によっては違約金を支払わなければならないケースが想定できるからです。

  • 結婚
    • ブライダル関係
    • 婚活関係
  • 妊娠
    • アルコール飲料、タバコ
    • 医薬品

 結婚した場合、ブライダル関係や婚活関係の企業で広告塔を務めていると違約金を支払うリスクが生じます。これは「結婚がゴール」と位置付けた企業だからです。

 「すでにゴールをした幸せな人」と長期的に起用することはできません。「次はあなたが幸せを掴む番」というコンセプトを最後に、“卒業” という形で契約満了となるでしょう。

 違約金を支払うケースとしては、「3年契約の1年目で結婚」と場合が考えられます。結婚後の半年から1年は「次はあなたが幸せを掴む番」という CM は対象とする独身者に有効でしょう。しかし、2年も引っ張ることは難しく、契約打ち切りの結果として違約金の支払いになると考えられるからです。

 

 違約金の支払いが請求される可能性が高いのは妊娠の方でしょう。なぜなら、妊婦に悪影響を及ぼすリスクのあることが判明している商品には起用できないからです。

 例えば、ビールや缶酎ハイに代表されるアルコール類。タバコも該当します。また、医師の処方が欠かせない医薬品も対象と言えます。

 これらの商品については妊娠中の女性芸能人が CM などの広告に登場することで「世間一般に対し、妊娠中に摂取しても問題ない」との誤ったメッセージを送ってしまうリスクがあるからです。これは明らかな経営ミスで会社に損害を与える原因ですから、早急に対処することが求められます。

 本来であれば必要としなかった広告差し替えなどの追加費用が発生する訳ですから、損害賠償が女性芸能人(または所属事務所)に対して起こされることは止むを得ないと言えるでしょう。

 

3:取り分の多い所属事務所はこういう時こそ、表に出て、火消しをすべき

 日本の芸能事務所は所属タレントを管理する立場にある訳ですから、武井咲さんの件についての違約金請求があった場合は事務所が負担すべきです。

 事務所側が多く持っていく「取り分」が一般的であり、違約金として “吐き出す” のは事務所が先と言えるでしょう。

 ちなみに、違約金絡みのネタですが、流出元は芸能事務所だと考えらます。広告で起用する企業からすれば、多種多様な芸能人の中からイメージに最も合致する人物を選ぶことが優先事項であり、一定のサイクルで広告塔を変更し続けます。

 しかし、芸能事務所は『独身』や『清純派』といったイメージを女性芸能人に付けて売り出す戦略を採っていることが一般的ですから、このイメージが大きく変わることを極端に嫌います。

 売り込みに費やしたコストを回収できないリスクがある訳ですから、「多額の違約金を払わなければならない事態になる」と脅しをかけるような形で自制を促す芸能事務所があったとしても全く不思議ではないと言えるはずです。ただ、事前にリスクを説明することで自重させることは可能と考えれるため、事務所と良好な関係であれば、大きな問題とはならないと思われます。

 

 結婚・妊娠・出産をした女優の榮倉奈々さんの件では違約金がどうこうという報道はなく、企業の広告塔として活躍を続けている訳ですから、過剰に煽る必要はないと言えるのではないでしょうか。