民進党の色合いが強い『希望の党』は「代表に小池都知事が就任した第二・民進党」と同義

 東京都の小池百合子都知事が新党『希望の党』を設立し、「日本をリセットする」と意思表示したと NHK が伝えています。

 『希望の党』は民進党やマスコミにとって、まさに “希望” と言えるでしょう。なぜなら、政党の中身が「小池都知事が民進党の代表に就任したこと」と同じであるからです。

 

 25日、設立された新党「希望の党」は、27日午前、代表を務める東京都の小池知事や、新党に参加する14人の国会議員が出席して、東京都庁近くのホテルで記者会見を開きました。

 冒頭、小池氏は、「しがらみのない政治、大胆な改革を築いていく。日本をリセットするために希望の党を立ち上げる。今、この時期に日本をリセットしなければ、国際間競争、日本の安全保障などを十分、守り切れないのではないか」と述べ、既成政治の打破を目指す考えを示しました。

 

 新党に参加する国会議員のほとんどが民進党を離脱した議員です。また、民進党そのものが『希望の党』への合流という形で調整が進んでいるとも報じられており、これでは「小池都知事が民進党の代表に就任した」ことと大差がない状況です。

 野党は衆議院の解散に踏み切る安倍政権に対し、「大義がない」と批判していましたが、同じ批判を小池新党である『希望の党』にも向けなければならないと言えるでしょう。

 

1:「しがらみがない政治」を主張するのであれば、「社会保障の削減」を言及すべき

 日本最大の既得権益は年金・医療に代表される「社会保障」です。『希望の党』が “しがらみのない政治” を行うのであれば、避けては通れないテーマと言えるでしょう。

 小池都知事の新党が「小さな政府」を標榜する中道右派であれば、しがらみを断ち切ることは可能です。

 「社会保障の削減」という既存政党や既存マスコミが全く触れずにスルーを続けてきた “しがらみ” を解消するために動けば「本物」と言えるでしょう。その上で実際に削減にまで達成すれば、小池百合子首相は「歴代最高の宰相」の1人として後世に語り継がれることになるからです。

 「首相になること」が目標なのか、「首相として実績を残すこと」が目標なのかを見極める必要があると言えるでしょう。

 

2:「リセットする」、「立ち止まって判断する」と主張する政党は信用できない

 選挙の際、「リセットする」、「立ち止まって判断する」と主張する政党が現れます。ただ、このような主張する政党は信用すべきではありません。

 なぜなら、「リセットした後」や「立ち止まって判断した後」のプランが全く語られていないことがほとんどだからです。社会に大きなマイナスを生じさせた場合への対応が示されていないことが問題なのです。

  • リセットした場合
    • → リセット後のプランはあるのか?
  • 立ち止まって判断した場合
    • 現行案の続行なら、遅れが生じたことへの挽回策は?
    • 新プランの採用なら、「現行案の二の舞」にならない保証は?

 大阪維新の会が立ち上げた『大阪府市エネルギー戦略会議』は反原発で、関西電力の原発再稼動を妨げました。再稼動を遅らせたことの挽回策を講じておらず、関西経済が苦境に喘いでいることは誰もが知る状況となっています。

 また、小池都知事も『築地市場の移転問題』で「立ち止まって判断」を主張し、独断で移転をストップしました。それに対する損害を出したままなのです。少なくとも、豊洲移転問題すら片付けられない都知事に首相が務まるとは言えないでしょう。

 

3:テレビや新聞が持ち上げる小池新党『希望の党』がどれだけ議席を獲得するかが注目点

 小池都知事は築地市場の移転問題で東京都に大きな損害を与えています。しかし、テレビや新聞といったオールドメディアはそのことを報じていません。

 それどころか、持ち上げる有様です。“第二・民進党” となりつつある『希望の党』を好意的に報じているのですから、反・自民党のためなら日本経済を平気で犠牲にするマスコミは害悪な存在でしかありません。

 民主党政権や民進党の失政をリセットするだけに終わることが濃厚である『希望の党』を信じて票を投じ、失望する有権者が数多く現れることでしょう。

 絶望の道に立たされることが確定的な若者を中心とした現役世帯にとっては不幸以外の何物でもありません。バカが騒いだ後始末を否応なしに強制させられる覚悟をしておく必要があると言えるのではないでしょうか。