民進党の “偽装解散” が現実味に、小川・民進参院議員会長の再結集の呼びかけに枝野・立憲民主党代表が前向きな姿勢を示す

 総選挙を前に「希望の党への合流」を全会一致で決めた民進党ですが、選挙後に再結集を狙う動きが本格化していると毎日新聞が報じています。

 “偽装解散” と言うべき行為ですが、自らの議席を守るために政治信条を平気で変えるような政治家なのです。民進党の金庫にある政治資金を引き継ぐための後継政党を軸に再結集することは既定路線と言えるでしょう。

 

 希望の党への合流をめぐって分裂した民進党出身の前職らが衆院選後に再結集を狙う動きが加速している。希望の党が自民党との関係を含めて政権構想を明確に示せず伸び悩んでいるため、自公政権と対決する野党を再建する狙いがある。

 (中略)

 立憲の枝野幸男代表は連携には前向きだが、民進党への復帰は否定している。

 

 選挙後に “民進党に所属していた議員” が大部分を占める形で政党が再建されれば、「何のための解党騒ぎだったのか」と批判されることでしょう。

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 「筋を通した」と評価する声がありますが、これは事実誤認です。なぜなら、「希望の党への合流」が提案された際に、「それは民進党が国会で示していた政策方針と異なることに対する説明ができない」と批判し、合流に反対していなければ、「筋を通した」ことにはならないからです。

 

1:「合流はありえない」ことをメディアの前で宣言すべきだ

 『民進党』のイメージが有権者に悪いことを思い出したのか、火消しに走り出しています。

 合流や再結集の意図がないなら、メディアの前で堂々と宣言しなければなりません。そうしなければ、「 “替え玉” で国民からの審判を受ける」と主張していることと同じだからです。

 民進党の小川・参院議員会長がすべきは「民進党は『希望の党』にも、『立憲民主党』にも合流しない」と公言することです。看板の掛け替えた方法が有権者の批判を買った訳ですから、それを否定し、同じミスは繰り返さないことを宣言することが不可欠なのです。

 また、立憲民主党の枝野代表も「合流や民進党の吸収は絶対にない」と断言しなければなりません。含みを持たせることであっても、逆風になることを自覚しなければならない立場にあるのです。

 

2:民進党への政党助成金は国庫に返納しなければならない

 政治的な信念があったり、「筋を通している」と主張するのであれば、民進党が保有する政党助成金に手をつけることがあってはなりません。

 なぜなら、民進党に対する政党助成金は “民進党の政党活動” を支援するためのものです。民進党に所属する議員のものではありませんし、ましてや立憲民主党など他の政党が使って良いものではないのです。

 民進党が希望の党に合流することを全会一致で承認したのですから、民進党の政治活動はその時点でピリオドが打たれたことを意味しています。

 国から民進党に交付された政党助成金は国に返納することが “筋を通す” ということになるはずです。その動きをしていない時点で姑息と言われることになるでしょう。

 

3:比例区で民進党系議員が議席を得れば、「ボロ儲け」と言えるだろう

 民進党に所属していた議員は『希望の党』か『立憲民主党』に所属して総選挙を戦っています。小選挙区は立候補者による直接対決ですが、比例区は異なります。

 政党ごとの支持率が現れる訳であり、2014年に行われた総選挙で民進党が比例区で獲得した議席数を上回れば、ボロ儲けと言えるはずです。

  • 比例区での獲得議席数(2014年総選挙)
    • 民主党:35
    • 維新の党:30
      → 分裂し、20議員が民進党を結成
    • 共産党:20

 『民進党』の支持率では民主党で獲得した「比例区35議席」の確保も厳しかったでしょう。しかし、『希望の党』と『立憲民主党』に分裂したことで、それぞれが「比例区30議席」を獲得することが現実味を帯びました

 総選挙後に、『希望の党』で当選した旧・民進党の比例区復活組が離党して、『立憲民主党』に合流。そこに『参院・民進党』が政党助成金を持って加われば、『民進党』にとって理想的な展開となるでしょう。なぜなら、党勢を挽回し、議席数を上乗せするという結果を手にすることができるからです。

 

 有権者を騙し討ちにする気が満々の政党に票を投じることは勇気がいることです。有権者をバカにした “目くらまし” は通用しないことを示すのは「投票」が最も効果的な行動です。

 「選挙で当選するためなら、何だってやる」という姿勢を民進党は示しているのです。減点方式で立候補者や政党を評価し、最もマシと考えた政治家や政党に投票し、若い世代の投票率を上げることが大きな変化をもらたすと言えるのではないでしょうか。