第48回総選挙の勝者と敗者
10月22日に投開票が行われた第48回衆議院議員総選挙の結果がほぼ確定しました。
台風が接近していたことで島部の開票作業が翌23日の夕方にまでずれ込むという異例の展開となった今回の総選挙における勝者と敗者を見ることにしましょう。
■ 勝者
1:自民党
勝者の筆頭格は自民党です。定数削減(10議席)の影響を最も受けると予想されていたのですが、選挙前の284議席を維持しました。
- 前回(第46回総選挙)の議席数:291
- 小選挙区:223
- 比例区:68
- 公示前の議席数:284
- 今回(第46回総選挙)の議席数:284
- 小選挙区:218
- 比例区:66
また、与党で衆議院の3分の2を超える議席を確保したのですから、「勝利」と呼べるでしょう。
2:看板掛け替えに成功した元・民進党(≒立憲民主党)
民進党から分裂し、比例区で多くの議席を獲得した元・民進党の議員も勝者です。立憲民主党と希望の党が比例区で獲得した議席数の合計は自民党を上回っており、また、小選挙区でも上手く戦ったと言えるでしょう。
- 公示前の議席数:15
- 今回(第46回総選挙)の議席数:55
- 小選挙区:18
- 比例区:37
ただ、政策論議をしていないため、“まっとうな政治” とは呼べない状況です。そのため、議席を伸ばすために不可欠な有権者の支持をどう獲得するかが鍵になります。
民進党や民主党でマイナスイメージを振りまいた議員を加入させるごとに党勢が失われる訳ですから、この部分にどう対処するかが注目点となるでしょう。
3:公明党
前回の総選挙から6議席を失ったことはマイナスと言えるでしょう。
- 前回(第46回総選挙)の議席数:35
- 小選挙区:9
- 比例区:26
- 公示前の議席数:34
- 今回(第46回総選挙)の議席数:29
- 小選挙区:8
- 比例区:21
ただ、衆議院の定数が10削減され、議席の3分の2は与党が持っていました。そのため、6議席減は「与党として現状維持はできた」とプラスに評価ができるでしょう。
しかし、自民党ではなく、公明党が議席数を減らしたことは反省する必要がありそうです。
■ 敗者
1:日本共産党
今回の総選挙で敗者となったのは共産党です。議席をほぼ半減させたのですから、執行部の責任は大きいと言えるでしょう。
- 前回(第46回総選挙)の議席数:21
- 小選挙区:1
- 比例区:20
- 公示前の議席数:21
- 今回(第46回総選挙)の議席数:12
- 小選挙区:1
- 比例区:11
比例で獲得した議席がほぼ半減しています。これは前回の総選挙では比例区での得票が606万票だったのに対し、今回は440万票ほどと150万票以上も失ったことが理由です。
共産党が訴えていた路線を『立憲民主党』が主張したことで、共産党から有権者が逃げ出したのです。小選挙区を譲ってもらえれば、議席数は伸ばせるでしょうが、比例で弱いことが明らかであるため足元を見られる可能性は大です。
政策が一致していない “野党共闘” では政権運営に支障を来すことは明らかです。立て直しが求められていると言えるでしょう。
2:“モリ・カケ” で騒いだマスコミ
森友学園や加計学園の問題で偏向報道を繰り返した挙句、与党に3分の2を超える議席数を維持されたのです。これではマスコミは「敗者」と言わざるを得ません。
おそらく、これからも同じ路線を踏襲することでしょう。新聞を熱心に読む高齢者を支持基盤とする立憲民主党と波長が合うことは言うまでもないことです。
ただ、情報の入手経路をテレビ・新聞のみではなく、インタネットと手にした若者世代には支持が広がらないことは直近の選挙ですでに浮き彫りになっています。
高齢者の “駒” として尻尾を振る SEALDs のような集団を持ち上げるも、実態がネットで即座に暴露され、若者や勤労者から敬遠されることになるでしょう。「関与の証拠」すら示せない疑惑で大騒ぎした責任をマスコミ自身が取らない限り、信頼が回復することはないと言えるのでしょう。