ダルビッシュのWSでの大不振がドジャースには痛すぎた

 ドジャースとアストロズの間で行われていたワールドシリーズは4勝3敗でヒューストン・アストロズに軍配が上がりました。

 ダルビッシュと前田が属してたドジャースは惜しくも栄冠を逃す結果となりましたが、その最大の理由は “助っ人” として補強したダルビッシュがワールドシリーズでは全く機能しなかったことと言えるでしょう。それだけの大不振だったからです。

 

1:両チームの2大エースが不振という異常なワールドシリーズ

 今年のワールドシリーズは異常でした。両チームの2大エース(ドジャース:カーショウ、ダルビッシュ|アストロズ:カイケル、バーランダー)が勝ち星を稼げなかったからです。

カーショウのWSでの成績(2017年):1勝
投球回 投球数 被安打
(被HR)
K/BB 失点
(自責点)
防御率
1 7 83 (57) 3 (1) 11 / 0 1 (1) 1.29
5 4.2 94 (57) 4 (1) 2 / 3 6 (6) 11.57
7 4 43 (34) 2 4 / 2 0 0.00
15.2 220 9 (2) 17 / 5 7 (7) 4.02
ダルビッシュのWSでの成績(2017年):2敗
投球回 投球数 被安打
(被HR)
K/BB 失点
(自責点)
防御率
3 1.2 49 (31) 6 (1) 0 / 1 4 (4) 21.60
7 1.2 47 (30) 3 (1) 0 / 1 5 (4) 21.60
3.1 96 9 (2) 0 / 2 9 (8) 21.60

 

 ドジャースはエースのカーショウが第1戦で好投するも、第5戦でまさかの大炎上。ただ、両試合で投げ合ったカイケルが不振だったため、勝利をチームにもたらすことには成功しています。

 しかし、ダルビッシュの出来はドジャースにとって完全に誤算だったと言えるでしょう。バーランダーとの投げ合いではなかったことを考えると、試合を作ることができれば勝ちを呼び込めていた可能性があるだけに悔いが残ったはずです。

 

2:WS終了後、ロバーツ監督が「ダルビッシュを先発させて悔いはない」と発言した理由

 シリーズ終了後、ドジャースのロバーツ監督は「後悔はない」とコメントしています。これは「(第4戦で好投した)アレックス・ウッドを先発で起用すべきだったのでは?」との質問を受けてのことです。

ウッドのWSでの成績(2017年):1勝
投球回 投球数 被安打
(被HR)
K/BB 失点
(自責点)
防御率
4 5.2 84 (49) 1 (1) 3 / 2 1 (1) 1.59
7 2 25 (18) 0 3 / 0 0 0.00
7.2 109 1 (1) 6 / 2 1 (1) 1.17

 結果論では「ウッドに第7戦を託すべきだった」となるでしょう。しかし、起用に踏み切りにくい理由も存在したのです。

  • ウッドはポストシーズンで2試合に登板したのみ
  • 前々回(カブスとの第4戦)は4回2/3で3失点
    → アストロズ戦の出来はマグレ?

 ダルビッシュが2試合連続で2回を持たずに KO は完全に想定外でしょう。“簡単に見切れる立場の選手” ではなかったことが裏目に出た形だと言えるはずです。

 

 序盤で試合を壊してしまったのですから、戦犯として名前が上がることになると思われます。登板した2試合のどちらかでクオリティースタートができていれば違ったことでしょう。来シーズン以降でどう巻き返すのかに注目と言えるのではないでしょうか。

 

【参考資料:アストロズのエース投手の成績】
カイケルのWSでの成績(2017年):1敗
投球回 投球数 被安打
(被HR)
K/BB 失点
(自責点)
防御率
1 6.2 84 (52) 6 (2) 3 / 1 3 (3) 4.05
5 3.2 86 (46) 5 4 / 2 4 (3) 7.36
10.1 170 11 (2) 7 / 3 7 (6) 5.23
バーランダーのWSでの成績(2017年):1敗
投球回 投球数 被安打
(被HR)
K/BB 失点
(自責点)
防御率
2 6 79 (49) 2 (2) 5 / 2 3 (3) 4.50
6 6 93 (65) 3 9 / 1 2 (2) 3.00
12 272 5 (2) 14 / 3 5 (5) 3.75