マスコミ各社、「インフル治療薬で異常行動」と盛大にデマを流す
マスコミ各社が「インフルエンザ治療薬を服用して異常行動が起きていることを問題視した厚労省が施錠を促す通達を出す見通し」と報じていますが、この記事自体がデマであり、注意が必要です。
正しくは「インフルエンザを発症した場合、施錠をするように」との通達であり、原因を完全に間違えていることが問題なのです。
■ 誤報を行ったマスコミ
「インフルエンザ治療薬を服用してため、“異常行動” が起きた」という誤解を招くデマを報じたマスコミは以下のとおりです。いずれのメディアも訂正・修正を行っておらず、隠蔽または放置となっている状態です。
1:朝日新聞(11月23日)
朝日新聞は11月23日の未明に以下の記事を公開しました。
この記事は Yahoo に転載されたこともあり、デマとの指摘が殺到。それにより「インフルエンザで異常行動54件」とタイトルと内容をこっそりと変更しています。
間違いを指摘され、訂正する姿勢は評価されるべきでしょう。しかし、黙って変更することは隠蔽と同じです。変更履歴と変更箇所は公開しておくことはメディアの責任と言えるでしょう。
2:読売新聞(11月25日)
読売新聞も11月25日付の記事で朝日新聞と同じミスをしています。
3:TBS(11月22日)
TBS は11月22日に放送した内容が完全にアウトです。
4:テレビ朝日(11月27日)
最も “お粗末” なのはテレビ朝日でしょう。朝日新聞がこっそりと記事を書き換えた話題であるにもかかわらず、27日の時点で「インフル治療薬服用で異常行動」とタイトルで使っているからです。
■ 事実
1:厚労省の通達内容
厚生労働省は公式サイト上で報道発表資料を発表しています。
「小児・未成年者がインフルエンザにかかった時は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、少なくとも治療開始後2日間は小児・未成年者を一人にしない」との対策を示しているのです。
施錠するなどの “具体的な対策” が今回新たに通達されたのです。重要なのは「異常行動を起こす原因はインフルエンザであり、インフル治療薬ではない」ということです。この大前提を誤解させる報道を行ったマスコミの責任は極めて重いと言えるでしょう。
2:タミフルなどインフルエンザ治療薬への疑いは晴れている
「インフル治療薬が原因」とのストーリーをマスコミは描きたいのでしょうが、“疑惑” はすでに払拭された状態です。
医師である EARL 氏が自身のツイッターで指摘しているように厚労省の調査班が「シロ」と報告済みなのです。この主張を覆すために必要な根拠となるデータを提示できていません。そのため、異常行動の原因はインフルエンザそのものだと結論づけられるでしょう。
医療系サイト『WELQ(ウェルク)』が適当な記事を書いたことで炎上し、サイトそのものが閉鎖するという騒動が過去に発生しています。既存メディアが「インフル治療薬で異常行動」と報じた今回の件も同様に深刻な問題と言えるでしょう。
デマを流した既存メディアに厳しい処分を科す必要があると言えるのではないでしょうか。