二階・自民幹事長と井上・公明幹事長には「安倍首相の平昌五輪開会式出席」を求める理由がある

 2月に韓国で行われる平昌冬季五輪の開会式に安倍首相の出席を促す動きが出ていると朝日新聞が報じています。

 慰安婦問題に対する韓国政府の対応で有権者は「安倍首相が平昌五輪の開会式に出席する価値はない」と見なしているでしょう。その中で与党内から「出席に前向きな声」が出る理由は個々の政治家が「安倍首相が出席することによる見返り」を手にするという立場にあるからです。

 

 自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長は17日午前、東京都内で会談し、平昌冬季五輪の開会式への安倍晋三首相の出席について「隣国で行われるスポーツの祭典である」として出席が望ましいとの認識で一致した。政府が出席するかどうかを決める際、国会日程が支障とならないよう調整を進めることも確認した。

 (中略)

 首相の開会式出席は韓国側が求めているが、慰安婦問題の日韓合意をめぐって韓国が新たな方針を示したことで、政府内には出席は難しいとの見方もある。首相は「国会日程を見ながら検討したい」と述べ、態度を明らかにしていない。

 

 

1:野党やマスコミは出欠のどちらを選択しても批判する

 出席するか否かは安倍首相が決断すれば良いことです。ただ、どちらを選択しても、野党やマスコミは批判することでしょう。

  • 平昌五輪に出席:重要法案があるのに国会を軽視している
  • 平昌五輪を欠席:隣国を軽視する姿勢が関係悪化を招いている

 “言いがかり” を付けてばかりの野党・マスコミは上記のどちらかで批判することが予想されます。文句を言ってばかりの野党やマスコミが「安倍首相は平昌冬季五輪の開会式に出席すべきかどうか」という点で立場を明らかにしないかぎり、安倍首相は態度を明らかにする必要はありません

 また、韓国政府が最恵国待遇をするのは北朝鮮となることが見え見えです。その点も踏まえておくべきだと言えるでしょう。

 

2:“全国旅行業協会の会長” と “親中・親韓政党の幹事長” が「首相の訪韓」に前向きなのは当たり前

 安倍首相の訪韓に前向きな姿勢を示している1人は自民党の二階幹事長です。自民党幹事長の肩書きで知られる二階氏ですが、『一般社団法人・全国旅行業協会』の会長という立場でもあります。

 旅行業界にとって冬季五輪は「重要な書き入れ時」です。したがって、隣国(=韓国)で行われる五輪の開会式に自国の首相が出席を見合わせることになると、客足が遠のく要因となります。そのような事態を回避する動きを露骨にすることは当然と言えるでしょう。

 もう1人は公明党の井上幹事長ですが、公明党は親中・親韓の色合いが強い政党です。そのため、「韓国で行われる冬季五輪の開会式に安倍首相が出席するのは当たり前のこと」という党としての認識を持っていることが考えられます。

 公明党の支持基盤は固定層ですから、世論調査でどれだけ韓国にネガティブな数字が示されていたとしても問題として捉えることはないでしょう。その慢心が「小選挙区で議席を落とす結果を招く原因になり得る」と認識しない限り、方針を変更することはないと思われます。

 

3:零下10度を下回ることが予想される平昌冬季五輪の開会式に出席する意味はあるのか

 雪不足が心配された韓国・平昌ですが、その心配はなさそうです。ただ、その代わりに寒波が襲来し、気温が零下20度を下回ったと報じられています。

 放映権の関係で開会式は夜間に行われます。そのため、平昌の現地気温は零下10度を下回り、体感気温は零下20度ほどにもなるでしょう。

 親・北朝鮮の姿勢を鮮明にするムン政権の引き立て役を務めるために訪韓する意味はあると言えるのでしょうか。相応のメリットが見込めない現状なのですから、日韓議員連盟の会長をトップとする訪韓議員団が出席すれば十分すぎると言えるはずです。

 韓国に配慮しすぎた結果が現在の日韓関係であるという事実を直視する必要があると言えるのではないでしょうか。