朝日新聞:2017年下半期は 2.3% の下げ幅を記録も、販売部数は600万部台を辛くも維持
『日本ABC協会』が発行する「新聞発行社レポート」が1月15日に発表され、その中で2017年12月の最新販売部数が明らかとなりました。
600万部台の販売部数を維持できるかが注目された朝日新聞は約604万部と大台割れを回避することに成功しました。なお、2017年下半期の新聞販売部数の推移は下表のとおりです。
読売新聞 | 朝日新聞 | |
---|---|---|
2017年6月 | 8,778,881 | 6,198,810 |
2017年 1〜6月平均 |
8,830,415 | 6,258,582 |
2017年7月 | 8,771,695 (前月比:- 0.08%) |
6,167,937 (前月比:- 0.498%) |
2017年8月 | 8,748,281 (前月比:- 0.27%) |
6,149,974 (前月比:- 0.291%) |
2017年9月 | 8,713,985 (前月比:- 0.39%) |
6,136,337 (前月比:- 0.222%) |
2017年10月 | 8,734,925 (前月比:+ 0.24%) |
6,121,605 (前月比:- 0.240%) |
2017年11月 | 8,765,366 (前月比:+ 0.35%) |
6,065,235 (前月比:- 0.921%) |
2017年12月 | 8,660,824 (前月比:- 1.19%) |
6,038,803 (前月比:- 0.436%) |
2017年 7〜12月平均 |
8,732,512 (前期比:- 1.11%) |
6,113,315 (前期比:- 2.32%) |
1:朝日新聞の2017年下半期は 2.32% の下げ幅
朝日新聞の2017年上半期(1〜6月)の平均販売部数は約626万部でした。それが下半期(7〜12月)は約611万部まで下落しています。
半期の下げ幅は 2.32% であり、読売新聞の 1.11% の2倍となっている状況です。
厳しい環境に置かれていることに変わりはなく、“突然死” を迎えても驚きはないと言えるでしょう。ただ、当事者である朝日新聞はその認識をほとんど持っていないと思われます。
2:「前月比で 0.64% 以下に抑えられなければ、600万部割れ」という現実
朝日新聞の最新販売部数(2017年12月時点)は603万8803部です。そのため、下げ幅が大きくなると2018年1月の時点で販売部数が600万部を下回ることになるでしょう。
- 前月比:-0.65% … 599万9550部
- 前月比:-0.64% … 600万0154部
ただ、1月でそこまで大きく下げることはないでしょう。「1ヶ月に3万部弱が解約」という数字が現実的であり、“首の皮一枚” の状態となることが予想されます。
おそらく、601万部前後(前月比で -0.45%)の販売部数という数字が示されることになるでしょう。
販売部数を回復させるためには「現在は購読していない層」に「新聞代を払う価値があると実感させる記事を書き続ける」必要があります。
価値に見合う記事を書き続け、その中のいくつかをネットで無料公開するだけでも大きな広告となります。なぜなら、取材初期の段階で適切に事実関係を整理できた記事が紙面やウェブ上で公開されているのであれば、「購読の価値はある」と判断する人は増えると考えられるからです。
あらゆる出費に対し、シビアな判断が下される中で朝日新聞に情勢を反転させるだけの能力と術があるのかという点に注目と言えるのではないでしょうか。