トランプ大統領がティラーソン国務長官を解任、北朝鮮および中東問題は強硬派が主体に

 アメリカのトランプ大統領がティーラソン国務長官を解任し、後任にポンペイオ CIA 長官を起用する人事を発表したと NHK が伝えています。

 「議会での承認を得る」というハードルは残されていますが、人事案は承認される見通しが高いと言えるでしょう。ポンペイオ CIA 長官は『強硬路線』を主張しており、外交面での対応が変化することが予想されます。

 

 アメリカのトランプ大統領は13日、外交方針をめぐって意見の違いがあったティラーソン国務長官を解任して、後任にCIA=中央情報局のポンペイオ長官を指名しました。

 (中略)

 ポンペイオ氏は、これまで北朝鮮が核を放棄する可能性は低いという見方や、対話には慎重な姿勢を示していて、どのような外交姿勢で臨むのか注目されます。

 またポンペイオ氏は、対イラン強硬派としても知られ、前のオバマ政権がイランと結んだ核合意を強く非難してきました。

 

1:『対北朝鮮・強硬派』という点が前任者との大きな違い

 ポンペイオ CIA 長官が国務長官に就任することで大きな変化が生じるのは『対北朝鮮政策』でしょう。

 『対イラン強硬派』として知られる人物ですが、与党である共和党は「オバマ政権(民主党)がイランと締結した各合意」を評価していません。そのため、『対イラン政策』という点では与党・共和党はポンペイオ氏を支持しないという理由は存在しないと予想されます。

 その一方で『対北朝鮮政策』は評価が割れる可能性があります。

 こちらはイランほどアメリカで危険視されてきた歴史はなく、一枚岩になっているとは言えないからです。ただ、『穏健派』と見られていたティーラソン氏が解任され、『強硬派』と見られているポンペイオ氏がトップに就任する見通しですなのですから、政策に変化が生じると見ておくべきでしょう。

 

2:強硬派のアメリカ国務長官が主導する首脳会談に北朝鮮は出席できるのか

 北朝鮮情勢での注目点は「北朝鮮はアメリカとの首脳会談に出席するのか」という点に集約されます。

 交渉相手が『穏健派』から『強硬派』に変わったのです。「核兵器をこの場(=首脳会談の場)で宣言しろ」と迫られる可能性が現実となったも同然です。

 アメリカは「北朝鮮からの首脳会談の申し出を快諾した」という事実を手にしています。そのため、北朝鮮がゴネようものなら「北朝鮮には対話をする意志がそのそも存在しなかったのだ」と『強硬路線』を正当化する理由を手にすることになります。

 トランプ大統領との首脳会談でキム・ジョンウン委員長が非核化を宣言すれば、トランプ大統領の成果となります。

 宣言しなければ、『強硬派の国務長官』がポイントを稼げる環境が整いますし、『強硬派の国務長官』を指名したトランプ大統領も「あらゆる事態を想定した準備をしていた」と評価されることでしょう。

 それだけ、北朝鮮にとっては厳しい環境に陥る可能性がある人事が進行中なのです。

 

 北朝鮮は無理難題をふっかけることで、「相手(=アメリカや韓国)が会談に応じようとしなかった」という世論形成を本格化させることでしょう。

 しかし、「北朝鮮からの首脳会談の申し出をアメリカが快諾した」という事実がある以上、逃げることはできない状況なのです。事態が急展開する可能性もあるだけに、日本政府も外交面での準備を怠らずにしておく必要があると言えるのではないでしょうか。