朝日新聞と Buzzfeed、太田理財局長が取り消した答弁(=「総理夫人だから名前があった」)を使った印象操作記事を流す

 朝日新聞と BuzzFeed が共産党・小池議員からの質問に「総理夫人だから名前が記載されていた」と述べ、後に該当の答弁を撤回した太田充理財局長の発言を使った印象操作記事でレッテル貼りを行っています。

画像:朝日新聞やBuzzFeedが報じた記事へのファクトチェック

 

■ 朝日新聞や BuzzFeed が報じた記事

 共産党・小池議員の「決裁文書に安倍昭恵氏の名前が記されていた理由は」との質問に対し、太田充理財局長は「総理夫人だということだと思います」と答弁しました。

 しかし、太田理財局長はこの答弁を撤回しているのです。そのことに言及せず、「総理夫人だから、名前が記載されていた」という “古い情報” に基づく印象操作を行うことはフェイクニュースであり、報道機関として論外と言わざるを得ません。

 

1:朝日新聞が報じた記事

 朝日新聞は以下の記事を流しました。暫定の速報記事として報じるのは問題ないでしょう。

画像:朝日新聞が報じた記事

 19日の参院予算委員会で財務省の太田充理財局長は、書き換え前の決裁文書に安倍昭恵氏を巡る記載があった理由について「それは基本的に、総理夫人だということだと思います」と述べた。決裁担当者が、安倍晋三首相の妻としての立場を意識して書いたとの見方を示した。

 しかし、該当の答弁内容は撤回されているのです。新しい情報に内容をアップデートしていないことは「印象操作をする悪意がある」と批判されても止むを得ないと言えるものです。

 

2:BuzzFeed が報じた記事

 “ファクトチェック” をするための機関を立ち上げたというバズフィード(BuzzFeed)は籏智広太記者が次のような記事を書いています。

画像:BuzzFeedが報じた記事

 なぜ、改ざん前の文書には、安倍昭恵夫人の名前が書かれていたのだろうか。

 3月19日に開かれた参院予算委員会の集中審議で、その理由に関して、太田充理財局長が「総理夫人だから」と明言。場内は騒然とした。

 この記事も上述の朝日新聞と同様、記事に新たに判明した内容が反映されていません。「ネット上のデマを駆逐することに力を入れる」と宣言した媒体がデマを流しているのですから、失笑物と言えるでしょう。

 

3:質問をした共産党・小池晃議員のツイート

 さらに、質問者である小池晃議員(共産党)は以下のツイートを行っています。

画像:小池晃議員(共産党)のツイート

 国会で質疑した本人が朝日新聞の “飛ばし記事” をツイートしているのです。「自作自演」として批判しなければならないレベルの行為と言わなければなりません。

 

■ 事実

 太田充理財局長が朝日新聞や BuzzFeed (バズフィード)が報じた答弁を撤回した根拠は小池晃議員(共産党)の後に質疑を行った清水貴之議員(維新)への答弁にあります。(映像開始から 5:25:30 の時点)

 太田理財局長:先ほど、削除した理由で私は「総理夫人だから」と、その時はちゃんと質問が聞き取れてなかったかもしれません。申し訳ありません。

 私は『なんでそこに出てきているのか』ということについて、それは「総理夫人であり、国会議員の方は書いた。要するに国会周りのことは書いてある」ということだと思って答弁申し上げました。

 なおかつ、「総理夫人の場合は籠池さんが盛んに総理夫人の名前を出しておられるので、そういう意味で書いてあった」という意味で答弁申し上げました。「総理夫人だから削除した」という意味で、もし問いがそうであれば、私がちゃんと問いを聞けていなかった。

 そういう質問だと思って私は答弁していなかったので、もしそうだとすればお詫び申し上げます。

 安倍昭恵氏の名前があった理由は「籠池氏が盛んに何度も名前を出したから」と答弁しています。「総理夫人だから名前があった」という主張は誤りなのです。

 

 ロイター通信はそのこときちんと報じていますが、朝日新聞や BuzzFeed (バスフィード)は撤回された答弁に基づく記事を放置したままです。「フェイクニュース」と声高に批判の声をあげるメディアがフェイクニュースの発信源になっていることこそ、重く受け止めるべき事案だと言えるのではないでしょうか。