『面従腹背』を堂々と語る人物が事務次官を務めた文科省に「服務規律を順守する意識」が根付く土壌があるとは思えない
時事通信によりますと、局長クラスの幹部が相次いで汚職事件で逮捕された文科省に「倫理観の低さ」を指摘する声が上がり、外部専門家による研修で服務規律遵守を徹底させるとのことです。
しかし、これだけでは期待する成果は現れないでしょう。なぜなら、『面従腹背』を堂々と公言し、天下り問題に関与した人物が事務次官を務めた省庁なのです。“同じ考えを持った幹部” が登用されないように組織そのものを再構築しない限り、効果は現れないものと思われます。
局長級幹部が相次いで汚職事件で起訴された文部科学省。省内からは15日、「倫理観が低いのかもしれない」と規範意識の欠如を指摘する声が上がった。同省では月内に服務規律の順守状況の調査に着手するとともに、外部専門家による幹部職員への研修を実施し、順守意識を徹底させる。
文科省では「大学への天下り」が常態化しているため、「相手からの “配慮” は当然」とのズレた認識を持っているのでしょう。
憲法で『学問の自由』が保証されており、これを「拒否権」という形で悪用していることが根幹にあります。『面従腹背』を公言する人物が事務方のトップを務めるような評価体系なのですから、組織の抜本的な見直しが求められているのです。
「前川喜平氏が事務次官を務めた」という事実が示す文科省の組織としての問題
文科省の倫理観に期待ができないのは(事務次官にまで上り詰めた)前川喜平氏の存在があります。
前川氏は『天下り問題』に関与し、在職時には隠蔽工作にまで走った人物です。また、退官後は「面従腹背が座右の銘」とメディアに公言し、「政権の指示に従うな」と現役職員に呼びかける始末です。
このような姿勢の人物が事務方のトップにまで昇進する評価体系が文科省で採用されているのです。
これでは倫理研修を義務づけたところで、意味がないでしょう。問題ある人物を処分し切れない組織なのですから、表面上の倫理研修をしたところでアリバイ作りにしかならないからです。
“象牙の塔” で好き勝手している実態にメスを入れる必要があるのでは?
文科省の(一部)官僚が好き勝手に振る舞うことができる上、懲戒対象にもならない状況は大きな問題です。これでは学力が低下して当然でしょう。
予算配分の権限を背景に「自分たちの天下り先」を開拓することに余念がないのです。「生徒の学力を向上させるための投資」よりも優先している有様ですから、文科省が担っている役割そのものを見直す必要があるはずです。
科研費なども対象にしなければなりません。
官僚や学者が自らの “政治力” を背景にした振る舞いが様々な問題を引き起こしているのですから、是正に乗り出す必要があるでしょう。体制が現状維持で倫理研修でお茶を濁すような対処では不十分なのです。
一般企業で求められている法令遵守やコンプライアンス意識が文科省にも要求されているのですが、森友・加計問題でマスコミが「文科省の問題行動」を容認する論調を展開したことはマイナスに作用することでしょう。
厳しい批判にさらされるべき行為が “英雄視” される事態を招いたからです。このマイナス分も払拭する必要があるだけに文科省の抜本的改革は骨の折れる取り組みになると言えるのではないでしょうか。