レーダー照射問題:岩屋防衛相が実務者協議に前向きなのは問題ないが、「韓国側の顔を立てる」ような譲歩は “悪手” と認識した対応は必須

 NHK によりますと、自衛隊の哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーによる照射を受けた問題で実務者協議が行われたとのことです。

 シンガポールで行われた協議は「平行線で終わった」と報じられています。事実確認に必要な “検算” を韓国側が拒否したのですから、韓国の顔を立てる必要はありません

 この認識を持ち、韓国側に対して再発防止策の提示を要求し続けて行くことが重要と言えるでしょう。

 

 海上自衛隊の哨戒機が韓国軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーを照射された問題で、日本と韓国の防衛当局が14日、シンガポールで初めてとなる直接協議を行いました。日本側は、客観的な証拠として自衛隊の電波記録の提示を打診しましたが韓国側が同意せず、協議は平行線に終わりました。

 協議が平行線に終わったことは「案の定」と言える結果でした。

 火器管制レーダーの照射が日本から問題視された際、韓国は「荒天だったため全てのレーダーを作動させて捜索活動に当たっていた」と “真っ赤な嘘” の説明をしていたのです。時間の経過とともに撤回は難しくなっているため、嘘を突き通すことは想定できたことでしょう。

 そのため、韓国側の顔を立てて早急な幕引きを図るような行為に走らなかった日本側の姿勢は評価すべきと言えるでしょう。

 

シンガポールという “第三国” で実務者協議を実施さぜるを得ないという現状

 日韓関係は「良好」とは言えない状況となっています。実務者協議を日本(東京)や韓国(ソウル)で行うのではなく、シンガポールという第三国で開催することとなったからです。

 第三国で実務者協議をするのですから、「韓国 ≒ 北朝鮮」と言わざるを得ないでしょう。

 したがって、韓国を価値観を共有する国と決め付けない方が良いでしょう。『事実』を提示されても、それを認めようとはせず、逆ギレに転じる有様なのです。

 そのような韓国の顔を立てるメリットはありません。韓国に配慮したことによる損失はすべて日本側が被ることになる訳ですから、韓国が起こした問題行為に対する再発防止策を要求し続けることが重要なのです。

 

「日本側だけがデータを公開する」のではなく、「韓国側のデータ公開を交換条件」としなければならない

 韓国が求める「日本側が保持している電波記録の公開」は韓国側が『交換条件』を飲まない限り、応じるべきではありません。なぜなら、どのような電波記録が提示されても、韓国は「韓国軍の電波ではない」と否定することが目に見ているからです。

 『凪』だった現場海域を平気で『荒天』と主張した前科があるのです。平気で嘘を付く国だけが事実確認の作業を行うという状況は避けなければならない事態と言えるでしょう。

 そのため、両者がデータを互いに公開することが不可欠なのです。

  • 日本側:韓国から『駆逐艦の電波情報』を受け取り、事実確認を行う
  • 韓国側:日本から『電波記録の情報』を受け取り、事実確認を行う

 両者が情報を交換することで、“検算” を行うことが可能になり、事実かどうかの答え合わせができるようになるのです。ところが、韓国はこの検算を拒否したのです。“検算” が行われることを拒んでいる韓国側に理解を示すことは日本にとって何のメリットにもならないと認識する必要があるでしょう。

 

日本は『再発防止策』を韓国に求め続けることが重要

 日本が韓国に要求することは「『再発防止策』の確立」でしょう。『謝罪』は世論の “ガス抜き” にはなりますが、それだけでは現場の自衛官は危険にさらされたままです。

 重要なのは「現場の自衛官が直面しているリスクを取り除くこと」であり、そのために有効なのは『再発防止策』を韓国が提示することです。

 日本が韓国の顔を立てる必要はありませんし、態度を軟化させることで得られるメリットも見当たりません。火器管制レーダーを照射した挙句、現場での問い合わせを無視した韓国の “事情” に理解を示す意味がないのです。

 無礼な態度を取っているのは韓国であり、穏便に済ませようとする対応が間違いなのです。韓国にきちんと “落とし前” を付けさせることが重要と言えるのではないでしょうか。