「小突かれただけで暴行と騒ぐのは和田政宗候補の売名行為」とツイートした CBC テレビ、「アクセス権を有する者の投稿ではない」と『香山方式』で逃げを打つ

 自民党から今夏の参院選に出馬している和田政宗候補が選挙運動中に殴打されるという事件が発生し、CBC テレビ(= 中部日本放送)が「小突かれたことを暴行と大げさに表現した売名行為」と公認アカウントでツイートしたことで釈明に追われる事態になっています。

 釈明はされたのですが、「アクセス権を有する CBC テレビ報道部員が投稿をした形跡はない」と主張したため、不正アクセスの被害を訴える弁解内容となっています。

 この場合は警察に被害届を出す必要がありますし、それを行っていないため、『香山方式』による “逃げ” と見なされることになるでしょう。

 

時系列

 和田政宗候補が殴打された事件についての時系列は以下のとおりです。

7月10日 和田候補が街頭活動中に殴打される事件が発生
同12日 「和田候補が求めた握手が振り払われただけ」とのネット上のデマに和田候補が『別角度からの映像を引用したツイート』で反論
同13日 CBCテレビが『上述のツイート』に対し、「小突かれただけで暴行事件とは。売名行為」とツイート
和田候補が CBC テレビのツイートが炎上していることに気づき、「この書き込みは何?」とツイート。炎上が拡大

 違法行為である選挙妨害をした輩がいて、それを “報道機関” である CBC テレビが公認アカウントで擁護したのです。これは炎上して当然の行為と言えるでしょう。

 そのため、釈明に追われた CBC テレビは弁解のツイートを投稿したのですが、突っ込みどころが満載で「火に油を注ぐ」ことになってしまったのです。

 

CBC テレビ報道部が行った弁明のツイート

 CBC テレビが行った弁解ツイートは以下のものです。

画像:CBCテレビ報道部による弁明ツイート
  1. CBC テレビ報道部の意思に基づくものではない
  2. アクセス権のある報道部員が投稿した形跡は確認できない
  3. 今後も調査を進め、再発防止に努める所存

 CBC テレビは「不正アクセスを受けたことで社の意図とは異なる報道を何者かに行われた」と主張しているのです。主張内容が事実であるなら、報道機関として “あるまじき失態” と言わざるを得ないでしょう。

 なぜなら、「報道の内容をすり替えられたことに気づいていない報道機関」になってしまうからです。また、不正アクセスを受けたにも関わらず、警察に通報していない時点で「アカウントの乗っ取り」が起きていると考える人は少ないことでしょう。

 

「アカウントの乗っ取り」が疑われるなら、警察に “通報” すると共にツイッター社に “IP アドレスの開示請求” を行うべきだ

 「ツイッターアカウントの乗っ取り」を訴えた騒動で著名なのは香山リカ氏のケースでしょう。

 出演中の番組パネリストを揶揄するツイートを行ったことを問い詰められると「アカウントを乗っ取られた」と弁明。「警察に届け出るべき」と指摘されると、「アプリの誤作動」と弁明内容を一転。「それならアプリの開発会社に問い合わせよう」との提案にも “逃げ” を打つなど苦しい言い訳を続けました。

 CBC テレビ報道部による弁明は香山リカ氏のものと同様であり、『香山方式』と言われても仕方のない状況です。アカウントを乗っ取られたのであれば、警察には「相談」ではなく「被害の通報」を行うべきです。

 そうすると、警察が捜査に乗り出してくれるからです。また、弁護士や社内の法務部から「ツイッター社に問題ツイートが行われた IP アドレスの開示請求」を並行して行う必要があります。

 これら2点を行うことが「アカウント乗っ取り被害」を訴える最低限の責務です。『ツイッター社から開示された問題ツイートの発信元 IP アドレス』が「CBC テレビの物ではない」と証明されない限り、“乗っ取り説” が説得力を持つことはないでしょう。

 

「発信者には良識と責任が求められる」と過去にツイートした以上、CBC テレビは「求める『良識』と『責任』の基準」を示せ

 過去に CBC テレビは「発信者には良識と責任が求められる」とツイートしています。

画像:CBCテレビ報道部によるツイート

 「県職員」を名乗っていたのだから、「個人の見解とは言い難い」と批判しています。それなら、「CBC テレビ報道部」を名乗る “認証アカウント” による投稿を「個人の見解」として逃げることは論外です。

 また、「発信者には良識と責任が求められる」と言い切っているのですから、CBC テレビが自社の発信者に対して要求する『良識』と『責任』の水準を明らかにした上で今回の件に対する立場を改めて世間に向けて公表する責務があるはずです。

 

 アカウント間違いによる “誤爆” なら、それを認めた上で担当者に対する処分を下すことが重要です。そうすれば、世間はすぐに忘れて事件は沈静化することでしょう。

 アクセスログを精査することで投稿した可能性のある人物を絞り込むことはできますし、場合によっては特定も可能です。

 違法行為を容認するツイートを報道機関の認証アカウントが行ったことが問題なのです。「なあなあ」で済ませることは論外であり、風化を狙った沈黙も逆効果になるでしょう。

 コンプライアンスを遵守していることを示すことが報道機関の責務と言えるのではないでしょうか。