J1参入プレーオフの決定戦(=J1とJ2の入れ替え戦)は「ホーム側のチームは勝利した場合のみ、J1の参戦資格を得る」と規則を改正すべき

 2019年のJリーグの日程が終了し、J1参入プレーオフ決定戦の対戦カードが湘南ベルマーレ対徳島ヴォルティスになったと NHK が伝えています。

 参入プレーオフ制度があった方が注目度は高くなりますが、入れ替え戦の現行フォーマットは改善の余地があるはずです。特に「ホーム開催権を持つJ1チームが引き分けでも残留可能」という規則は「引き分けなら降格」に改正すべきと言えるでしょう。

 

 サッカーのJ1参入プレーオフは、徳島県鳴門市で2回戦が行われ、徳島ヴォルティスがモンテディオ山形に1対0で勝ち、J1で16位の湘南ベルマーレと対戦する決定戦に進出しました。

 J1参入プレーオフは、J2の3位から6位のチームがトーナメントを戦い、勝ち上がったチームと、J1で16位のチームが対戦して残留か昇格かを争います。

 (中略)

 決定戦は、今月14日に神奈川県平塚市で行われます。

 

決定戦(=J1とJ2の入れ替え戦)の規定がおかしい

 J1参入プレーオフの参加資格は「J1で16位のチーム」と「J2の3位から6位のチーム」の計5チームに与えられます。J2チームによるトーナメント戦で『J2代表』を決め、『J1の16位』に挑むという形式です。

 実質的には「J1とJ2の入れ替え戦」です。入れ替え戦に臨む『J2代表』の決め方は妥当ですが、入れ替え戦の規定には問題があると言わざるを得ないでしょう。

 なぜなら、試合は「J1で16位だったチーム(= 今年は湘南)」のホーム・スタジアムで行われる上、J1のチームは引き分けでも残留が可能だからです。これでは競争力がないチームがトップカテゴリーに残留してしまう原因にもなります。

 そのため、決定戦が90分で決着が付かなかった場合の現行規定を改正する必要があると言えるでしょう。

 

「ホームで “降格候補のチーム” を相手に勝ち切れないチーム」は問題視されるべき

 J1参入プレーオフの決定戦は次のように形式を変更されるべきです。

  • 維持される項目
    • 『J1の16位』と『J2代表』が90分の一発勝負で対戦
    • 試合会場は『J1の16位』のホームスタジアム
    • 勝者が「J1参入権」を得る
  • 変更点
    • 90分を戦って同点の場合は『J2代表』の勝利と見なす

 上記のように変更する理由は「J1に属するチームは “J2への降格が有力視されるチーム” に対しては(少なくとも)ホームで勝利する力を備えているべき」だからです。

 今年のJ1で降格争いに苦しんだチームは来年も同じ立ち位置になる可能性が高いことでしょう。また、昇格プレーオフ経由でJ1参戦の切符を手にした『J2のチーム』は「来年のJ2降格候補の筆頭」です。

 「降格決定の最速記録」にチャレンジされては困る訳ですから、上記の形に変更することでトップカテゴリーの競争力を高めるべきだと言えるでしょう。

 

「格上のホームで勝点を持ち帰れること」は重要

 「『J2代表のチーム』こそ、勝利してJ1参入を決めるべき」との声もあるでしょう。しかし、“J2の第3代表” の立場で決定戦に臨んでいるチームに高望みをすべきではありません。

 むしろ、「格上であるJ1のチームのホームスタジアムに乗り込んで勝点1を持ち帰ることに成功した」という実績を評価すべきです。

 “ホームの声援を背景に勝ちに来る格上” を相手に勝点1を持ち帰るなら、来シーズンのJ1でも厄介さを発揮することが期待できます。一方で、格下のチームに勝点を持ち帰られることは「取りこぼし」に該当する訳ですから、J1のクラブは「返り討ち」にすることが望まれます。

 「Jチームへの救済措置」となっている現状の入れ替え戦制度は改正し、競争力を高めるための規定を色濃くすべきと言えるのではないでしょうか。