巨人がゲレーロとビヤヌエバを2軍に降格させるも、極端な打撃不振の現状では「妥当な判断」と言わざるを得ない

 プロ野球・巨人がゴールデンウィーク10連戦の最終戦を前に助っ人外国人選手4名を入れ替えたと報知新聞が伝えています。

 ゲレーロ選手とビヤヌエバ選手が同時に2軍への降格となったのですが、両選手ともに極端な打撃不振でした。一定の打席数が与えられた中で結果を残せなかったのですから、原監督の判断は妥当と言えるはずです。

 

 巨人は6日、10連戦最終戦となるDeNA戦(横浜)を前に1、2軍の大幅な入れ替えを行った。

 この日から速球派の救援右腕・アダメス、両打ちで内外野を守ることができるマルティネス、ファームで主に4番を打って本職の内野以外に外野の守備練習も行ってきた北村の3選手が1軍に昇格した。

 代わりにゲレーロ、ビヤヌエバ、畠の3選手が2軍となった。

 

5番打者以降として起用されている選手の勝負弱さが目立つ今季の巨人

 5月6日付で1軍登録を外れたゲレーロ、ビヤヌエバの両選手の成績は下表のとおりです。

表:下位打線を担当する選手の打撃成績(2019年5月7日時点)
打率 出塁率 得点圏
ビヤヌエバ .235
(98打数23安打)
.309 .167
ゲレーロ .226
(93打数21安打)
.301 .200
陽 岱鋼 .258
(66打数17安打)
.338 .188
亀井 善行 .233
(73打数17安打)
.293 .143

 両選手ともに打率は2割前半で、得点圏打率は2割を切っています。チャンスを潰し続けている状況ですから、打線の “テコ入れ” を首脳陣が考えるのは当然と言えるでしょう。

 なぜなら、上表で示した4選手は主に5番から7番を担当する打撃が期待されている選手です。つまり、好調な上位打線が作ったチャンスで打席が回ってくる選手なのです。

 ですが、その際の打率が2割を下回っているのです。打席が少ない状況ではブレ幅も大きくなりますが、100打席を超えている状況なのですから、降格となるのは止むを得ない判断となるでしょう。

 

丸選手の他に「2割後半の得点圏打率を記録できる外野手」が欲しい

 首位を走る巨人ですが、盤石とは言えません。なぜなら、投打において改善点があるからです。

 打線においては「2割後半の得点圏打率を記録できる外野手」が丸選手の他に1人は必要です。5番から7番にレフトとライトを守る選手を起用している巨人ですが、チャンスで打席に立つ機会がある選手の得点圏打率があまりに悪すぎます。

 坂本選手や丸選手が出塁して作った得点機で1本を出せる選手がいれば、チームの得点力が上がります。「ホームラン」ではなく、「ヒット」が期待されているのですから、調子の良い若手選手にチャンスを与えるチーム方針は適切と言えるでしょう。

 つまり、「2割後半(= 3割弱)の得点圏打率」と「3割超の出塁率」を残せる外野手はポジションを取れる確率が極めて高いのです。原監督はチーム内の競争を歓迎する指揮官ですので、若手選手や中堅選手が主力になれる可能性は十分にあると思われます。

 

ブルペン陣は「安定感のある右投手」が現れることが期待事項

 巨人の投手陣は「ブルペン陣で安心して出せるのは中川皓太投手だけ」という状況を改善することが課題です。

 軸となる安定感を発揮しているのが、ブルペン陣では中川投手だけであり、長いシーズンを考えると大きな不安材料です。したがって、中川投手以外に安定感のある投手が現れるかが注目点となります。

 接戦を勝ち切るためには「強力ブルペン陣」は欠かせません。巨人のブルペン陣は「未整備」の状況が続いていますので、交流戦が始まるまでにブルペン陣の目処が付いていれば理想と言えるでしょう。

 ゲレーロ選手やビヤヌエバ選手の打撃状態が上向かず、マシソン投手も復調に苦しむようであれば、MLB で去就が浮いたままのクレイグ・キンブレル投手に触手を伸ばすべきです。

 1年契約でも十分に元が取れる実力者ですし、“巨人らしさ” を発揮できる補強だからです。采配で選手のモチベーションを刺激することに長けた原監督の巨人がこのまま首位を走り続けるのかに注目と言えるのではないでしょうか。