カルロス・ゴーンに主権を侵害されたトルコは速やかに対処、日本も諸外国の厳しい対応を見習うべきだ

 NHK によりますと、カルロス・ゴーン被告がレバノンに密出国した際の経由地として利用されたトルコが関係者を拘束し、捜査を行っているとのことです。

 「友好国である日本のため」との観測が一部で出ていますが、これは “副産物” に過ぎないでしょう。なぜなら、「トルコもゴーン被告らによる(密入国と密出国で)主権を侵害されてメンツを潰されているから」です。

 ですから、関係者の取り締まりに本腰を入れなければならない動機があるのです。

 

 海外への渡航を禁じられていた日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が秘密裏に中東のレバノンに出国した問題で、経由地となったトルコの地元当局は、警察が民間航空会社のパイロットら合わせて7人を拘束し、ゴーン元会長の出国に関わったかどうか捜査していることを明らかにしました。

 (中略)

 イスタンブールの警察が民間航空会社の幹部1人とパイロット4人、それに空港の地上サービス会社の社員2人の、合わせて7人を拘束したということです。

 この民間航空会社は、ゴーン元会長が使用したとされるプライベートジェットを運航している可能性があり、警察は拘束した7人がゴーン元会長の出国に関わったかどうか捜査しています。

 

主権侵害の片棒を担ぐ訳には行かないし、自国の主権が侵害されたことを放置することは論外

 トルコがカルロス・ゴーン被告の逃亡に対して積極的に動く理由は「当局が黙認できない状況に置かれているから」です。日本から密出国したゴーン被告の動きをトルコ目線で見ると以下のようになります。

  1. 民間の傭兵会社が『トルコの民間航空会社』を使い、ゴーン被告を日本から密出国をさせる
  2. ゴーン被告は “トルコに” 密入国し、レバノンに向けて密出国
  3. 上記の事実が発覚しないよう、『トルコの民間航空会社』の従業員が運行記録を改ざん
  4. ゴーン被告がレバノンに到着

 まず、プライベートジェットを飛ばした『トルコの民間航空会社』が「ゴーン被告による密出国」で日本の主権侵害を行うことに加担しています。

 これだけでトルコ当局が動くなら、「友好国である日本のため」と言えるでしょう。しかし、この民間航空会社は「トルコにゴーン被告を密入国させた上、レバノンに向けて密出国させている」のです。この行為が “トルコの主権侵害” に該当するのです。

 自国・トルコの主権が行われたのですから、当局が関係者を迅速に拘束するのは自然なことです。したがって、「トルコが自国の国益のために動いた結果、日本にも恩恵が生まれた」という状況であることを念頭に置いておく必要があるでしょう。

 

民間航空会社は「所有機を違法に使用された被害者」と刑事告訴に踏み切る

 日本の主権を間接的に侵害し、トルコの主権を直接的に侵害する結果となった『トルコの民間航空会社』はゴーン被告を刑事告訴したと AFP 通信が報じています。

 日産自動車(Nissan Motor)元会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告が、会社法違反などの罪で起訴され、保釈中に日本を出国してレバノン入りした問題で、トルコのプライベートジェット会社MNGは3日、同社の航空機が違法に使用されたとして、刑事告訴したことを明らかにした。

 この対応も現実的な判断です。国家の主権を侵害する行為は「テロ」と見なされます。テロ行為に加担していたと認定されれば、金融機関との取引が不可能になるため、事業が立ち行かなくなります。

 だから、「自分たちは国家の主権を侵害したカルロス・ゴーンの共犯者ではない」と証明する責務があり、違法行為として刑事告訴を行ったのです。ただ、記録改ざんなどでコンプライアンスに問われることは不可避ですから、危機管理が要求される事態となるでしょう。

 

日本の主権を侵害した輩には厳しい措置を講じることが不可避

 日本政府が今後すべきことは「トルコの治安当局に習い、ゴーン被告の密出国に関わった協力者にも厳しい措置を採ること」です。これができなければ、外国人が日本国内で犯罪を平気でするようになるでしょう。

 なぜなら、外国人が日本国内で日本の法律を破っても何の罰則も受けずに逃げられることが明らかになってしまったからです。

 しかも、弁護士を始めとする法曹関係者やリベラル派のマスコミは「日本の司法は “中世” だから、逃げるのは当然」と犯罪行為に理解を示す有様です。外国人を政権批判の道具として利用し、日本国内の治安悪化を招く要因を作っているのですから、こうした行為は黙認すべきではないでしょう。

 したがって、『人権』を理由に訴訟に踏み切る姿勢を見せれば、“完全自由の身” となることが可能となっている保釈や仮釈放の現運用体制を変更するための法改正が必要不可欠と言えるはずです。

 日本国内の人権派による活動の成果が「ゴーン被告の密出国」なのです。「人権侵害」と騒いで被告を『完全自由の身』とすることの弊害が世間に知らしめる結果となったのです。

 人権派弁護士が何と主張しようと、保釈や(入管法違反での)仮釈放には『GPS 装置の着用』を義務付ける必要があるとの法改正を速やかに行う必要があると言えるのではないでしょうか。