トランプ大統領、「去年アメリカで3万7000人がインフルエンザで亡くなった。死者22名の新型コロナで生活や経済を閉ざすな」とツイート

 アメリカでも新型コロナウイルスによる患者や死者が出ていることに対し、トランプ大統領が「過剰反応を慎むべき」との趣旨のツイートをしています。

 経済活動を止めることは「収入が途絶えるリスクが高い弱者層ほど影響を受けやすい」という問題があります。そのため、どのタイミングで経済活動の自粛を解除するのかがポイントになるでしょう。

 

トランプ大統領のツイート

 トランプ大統領が行ったツイートの和訳は以下のとおりです。

 昨年、3万7000人のアメリカ人が一般的なインフルエンザで亡くなった。年間平均は2万7000人から7万人だ。何もシャットダウンしていないし、生活と経済は続く。現時点で新型コロナウイルスは感染者546名で死者22名。そのことを考えろ!

 新型コロナウイルスには「症状の少ない人からも感染する」という “厄介な性質” があると考えられますが、死亡者数を大きく増やす特性までは有していません。

 トランプ大統領はアメリカ国内の例を取り上げていますが、日本でもこれは同じです。日本では約1500人(2016年)がインフルエンザで亡くなっており、新型コロナウイルスを極端に恐れる必要はないと言えるでしょう。

 (数値は東京都健康安全センターが発表しているもの)

 

いつまでも耐える(= 経済を止める)ことは非現実的

 新型コロナウイルスの感染拡大を止めるためには「封じ込め」が重要になります。日本の現状は専門家会議が3月9日に発表(PDF)した「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえている」との評価が現状を示しているでしょう。

 ただ、いつまでも『自粛モード』を続けると経済が疲弊し、悪影響が出てしまいます。そのため、『自粛モード』を徐々に解除していく必要があります。

 専門家会議は「クラスター発生時に見られた共通項」を発表しており、クラスター発生の条件の満たしていない経済活動は徐々に再開していくべきです。

画像:クラスター発生時に見られた共通項
  1. 換気の悪い密閉空間
    • 換気を敢行する
  2. 人が密集している
    • 人の密度を下げる
    • 会場の広さの確保や距離を 1〜2m 程度あける
  3. 近距離での会話や発声が行われる
    • 周囲の人が近距離で発声する場所を避ける
    • 自分から飛沫を出さないように注意

 “共通の物品” という思わぬ落とし穴もありますが、この点は消毒を適切に実行し続けることがポイントと言えるでしょう。誰かが「再開」に踏み切る必要があるため、その支援を行うことが今後の課題となるはずです。

 

応援歌やチャントを(満員の)観客が歌うスポーツイベントの即時再開は難しい

 再開のハードルが低いのは「映画館」でしょう。映画館は『1』と『2』がクラスター発生の要件を満たしていますが、観客同士の会話が少ないことから『3』には該当するケースは稀です。

 また、公演再開が先送りとなった宝塚歌劇団も同様と言えるでしょう。

 一方でプロ野球やJリーグは満員の観客が応援歌(やチャント)を “大合唱” するため、クラスター発生の要因をすべて満たしてしまう恐れがあります。そのため、人気スポーツが再開するには少し時間を要することになると思われます。

 ただ、3月中旬には『新たな方針』を示して対応をアップデートする必要があります。重症化しやすいのは高齢者や基礎疾患を抱えている(免疫力の低い)人であり、その人々を「クラスターから遠ざけること」に注力すべきです。

 それと並行して「新型コロナウイルスに感染しているにも関わらず、外を出歩いて感染を拡大させた高齢者」へは厳しい対処が必須です。このような故意犯は医療費を全額自己負担にするなどの罰則を設けるべきです。

 

 新型コロナウイルスへの感染が疑われる状態で出歩く人や医療崩壊を引き起こす行為を煽る人には厳しい姿勢で臨み、経済への影響を最小限にする必要があると言えるのではないでしょうか。