ピンハネを行うNPOやNGOは称賛するのではなく、徹底的に批判する必要があるのでは?

 ペットボトルキャップのリサイクルを呼びかけて注目されたNPO法人『エコキャップ推進協会』がキャップの売却益を身内の給与に当てていたと朝日新聞が報じています。

 社会活動を世間に向けて報道することはマスコミの役目と言えるでしょう。しかし、“ピンハネ” など私腹を肥やすなど問題のある団体については厳しく批判し、活動界隈から退場させる責務がメディアにあることを忘れてはならないことです。

 

 横浜市に提出された事業報告書によると、エコ推は14年度の事業費6139万円のうち、約7割に当たる4157万円を運営事務費などの「業務委託費」として計上し、大半を子会社「スタッフルーム」に支払っていた。

 同社の社長はエコ推の事務局長。社員には、エコ推の矢部信司理事長や矢部氏の家族、一部理事のほか、エコ推事務局のスタッフらが名を連ねる。

 業務委託費のうち3200万円が人件費。矢部理事長は、エコ推の役員報酬(月額20万円)に加え、スタッフルームの社員として毎月35万円の給与を受け取っていた。

 

 

 現在、寄付金を集めやすい分野は「環境」と言えるでしょう。そのため、資金を集めるために “エコ転” を行う過激派団体も存在している状況です。

 玉石混交であり、真面目に環境保護活動を行っている団体もあれば、“環境” を理由に自らの政治活動を行うゴロツキもいる有様なのです。

 『エコキャップ推進協会』は「エコを掲げて、身内に給与という形で還元する」という私腹を肥やしていたことが明らかとなりました。このような “環境ゴロ” が称賛され、肩で風を切って歩いている日本のNGO・NPO界隈は現状を改善する必要があると言えるでしょう。

 事業費の5割超を身内に還元しているのであれば、エコのためではなく自分たちの生活費を寄付という形で集めていることと同じだからです。

 

 NGOやNPOでは “事業費を抜く” という行為は論外です。

 もし、組織運営費として使える上限を設定するなら、日本ユニセフの 25% を下回る値にすべきでしょう。「寄付金の 20% を運営費として利用している」と批判されても、「運営費に回している割合は日本ユニセフより低く、組織として適切に運営されています」と反論できるからです。

 しかし、収支報告書を積極的に公開している団体は少なく、“委託” と称して「身内」に還元している組織は他にも存在することでしょう。

 他者からの善意で事業費を賄うことが基本となっていますから、NGOやNPOの信頼を損なうような会計処理をしている組織に対しては厳しい視線を向けなければなりません。また、メディア上で紹介した組織がきちんと運営されているかは取材したマスコミが継続的に会計状況を追い続ける必要があると言えるでしょう。

 

 「日本に寄付の文化が根付いて欲しい」と関係者が願うのであれば、寄付金が適切な形で運営されているかを “ガラス張り” にしなければなりません。

 口先だけで、実際には行動をせず、結果を出していない団体に資金援助を申し出る人はいません。政治資金収支報告書レベルの情報公開はNGOやNPOには不可欠と言えるでしょう。

 グリーンピースやシーシェパードなど、“環境” を理由に日本への差別活動を行う団体もあるのです。NPOやNGOという理由で野放しにする必要性があるかどうかを見直す時期に来ているのではないでしょうか。