慰安婦合意を守らない韓国が「スワップ協定は守る」という根拠は皆無だ

 麻生財務相が記者会見で「スワップ協定で貸した金も返ってこないことも考えられる」と発言したことを時事通信が伝えています。

 通貨スワップ協定は締結国間における信頼関係が不可欠です。現状では日韓両国の信頼関係はない状態ですので、麻生大臣の発言内容は正しいと言えるでしょう。

 

 麻生太郎財務相は10日の閣議後記者会見で、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として中断している日韓通貨スワップ(交換)協定交渉について、「金だけの話じゃなく、信頼関係で成り立っている。信頼関係がなくなり、難しくなってきている」と述べ、早期の交渉再開に否定的な見解を示した。

 麻生氏は「(日韓合意という)約束が守られないのなら、貸した金も返ってこない、スワップなんか守られないかもしれないという話になる」とも指摘した。

 

 韓国に寄り添う姿勢を鮮明にしている人々からすると、麻生大臣の発言は容認できるものではないでしょう。しかし、通貨スワップ協定の内容を確認すれば、麻生大臣の主張内容が正しいと判断せざるを得ないのです。

 

日本が韓国を一方的に支える形の通貨スワップ協定

 通貨危機に陥った場合の “命綱” として機能する通貨スワップ協定ですが、内容は「日本が韓国を一方的に支える」ものとなっています。

 国際的な基軸通貨はアメリカ・ドルなのですが、日韓で融通し合うのは米ドルではないのです。円とウォンを交換する形であり、日本にとってメリットは皆無と言って過言ではない状況です。

 円はドルやユーロとともに国際通貨としての位置づけがあり、期限・金額ともに無制限のスワップ協定が存在します。ところが、地域通貨に過ぎないウォンは渡されても使い道がないのです。

 両国ともに「ドルやユーロを融通し合うスワップ協定」であるなら、対等な協定と言えるでしょう。しかし、実態は「円を経由する形でウォンをドルに変換できる韓国だけがメリットを得られる仕組み」なのです。

 

信頼関係がないと、スワップ協定は意味を持たない

 麻生大臣が発言した内容に批判的な人々は韓国政府が述べる『政経分離の原則』を信望しているのでしょう。

 「政治と経済は別に考えるべき」と主張するのでしょうが、国の資金が原資である以上、政治的に関係が悪化している国に資金援助を行うことは理解が得られないことです。民間企業が自己資本で投資することは禁じていない訳ですから、『政経分離の原則』とやらは守られています。

 ちなみに、信頼関係がなければ、次のようなリスクが存在します。

  • 韓国がスワップの利用を申請した場合
    • 日本が韓国に『円』を貸し出す
    • 韓国側が借りた『円』を返済しないリスク
  • 日本がスワップの利用を申請した場合
    • 韓国が日本への『ウォン』の貸し出しを拒否するリスク

 起きる可能性が高いリスクは「韓国がスワップ協定で借りた『円』を返さない」というものでしょう。多額の資金を一方的にプレゼントするリスクが存在するだけに、信頼関係がなければスワップ協定が締結されないことは当然なのです。

 

 現状の韓国は “二国間の合意事項” である慰安婦合意を遵守していません。この状況で二国間の信頼関係が存在して初めて意味を持つスワップ協定が正常に機能する保証はどこにもありません。

 法的根拠に基づき、ウィーン条約に反する “慰安婦像” を撤去することすらできない政権が何百億円単位の借入金を素直に返済することを保証できるでしょうか。

 嘘つきに喜んで金を貸す人は滅多にいないでしょう。探せばいるかもしれませんが、多数派になることは想像できません。

 反日の姿勢を鮮明にする国に、多額の資金を融資した上、その金が返ってこない可能性が現実的にある中でスワップ協定を締結するメリットは日本側には皆無です。

 メリットがあるのは “嘘つきの韓国” にだけであることを誤魔化すことは不可能なことであることを理解する必要があるのではないでしょうか。