福島県は作成した道徳用教材を県内公立校ではなく、首都圏の公立校やマスコミに配布すべきだ
マスコミが “原発いじめ” と称する問題を受け、福島県が道徳用教材を県内の公立学校に配布したと NHK が報じています。
問題に取り組む福島県の姿勢には称賛に値するものですが、教材配布を行う対象には再考の余地があると言えるでしょう。なぜなら、“原発いじめ” は東京など首都圏が問題の温床となっているからです。
原発事故で避難している子どもへのいじめが相次いで明らかになるなか、偏見などについて子どもたちが感じたことを書いた作文を、道徳用の教材として活用してもらおうと、福島県は、新たに6万5000冊余りを増刷して県内の公立学校に配布しました。
福島に対する偏見を最も煽ってきたのはマスコミです。「報道」と名乗っているだけで、実際は風評と変わりない内容を流しているのですから、“原発いじめ” は起きることになるのです。
科学的なデータが提示されても、「専門家の言うことは信頼できない、素人の直感的な感覚が正しい」と開き直りを見せる有様です。
御用学者とレッテル貼りを行い、災害による被害の全責任を押し付け、マスコミがスケープゴートにしていた事実は決して許されることのない「報道犯罪」と言えるでしょう。
“原発いじめ” はマスコミが福島県に対して行った報道犯罪の副作用にすぎません。
メディアが科学者を御用学者として繰り返し批判していた内容を子供たちが学び、自分たちの身近な環境である学校で “マスコミの論理” に基づき、批判・非難したことが “いじめ” としてメディアが取り上げたという流れなのです。
専門家に向けられていたバッシングと同じ根拠のバッシングが福島県出身の子供に向けられたとも言えるでしょう。
その基となる偏見を作り出したのは首都圏に本社を構えるマスコミなのです。「福島は汚れた土地だ」などと事実とは異なるデマを繰り返し流し、何度も陥れる発言を行えば、偏見が根付かない方が不思議なことです。
したがって、福島県が “原発いじめ” に対する道徳用教材を配布すべき対象は福島県内ではありません。
原発事故があった福島県では「放射線に対する危険性」は科学的根拠に基づく知見が地元メディアで取り上げられ、偏見が生じることは極めて少ない状態になっていることでしょう。知識をアップデートしなければならないのは、首都圏のメディアなのです。
素人集団の集まりに過ぎないマスコミが専門家の見解を理解できると考えるのは危険です。勝手な思い込みを持ち、「“角度を付けた報道” にこそ、価値がある」と信じているのですから、高校生・中学生以下の学習能力であるとの前提で対応すべきと言えるでしょう。
福島県が採るべき方針としては、首都圏の学校やマスコミに対し、道徳用教材を配布することです。予算は風評被害を生み出す原因となったメディアに “罪滅ぼし” として拠出させるべきです。
その上で、依然として誤報を流し続けるメディアについては県の公式サイト上で科学的根拠に基づき、公然と反論すべきでしょう。ネット上でデータ付きで反論をしていれば、炎上によってマスコミを謝罪に追い込むことも可能になります。
ネットの集合知や人海戦術という “古っぽいやり方” でも、風評被害を払拭するためには味方に付けておく意味はあると言えるのではないでしょうか。