NHK はキレる高齢者が増えた理由こそ、AIを使って調査すべきだ
NHK が「キレる高齢者増えた?その訳は・・・・」とのタイトルの記事を書いています。
脳機能の低下説を持ち出し、高齢者を擁護する内容となっていますが、それだけでは説明仕切れることではありません。原因と1つにすぎず、NHK がお得意のAIを使った調査を行うべきと言えるでしょう。
芦刈医師は「前頭葉が萎縮するのは認知症の1つで、記憶力などに問題はないが脳機能が低下することで感情の抑えが効かなくなって我慢ができない状態になる。早い人では60歳ぐらいから症状が出始める」と指摘します。
すべての人に症状が出る訳ではないものの、診察に訪れる高齢者で同様の症状が確認される人は少なくないということです。
高齢者による社会問題として浮上しているのは “粗暴犯” の多さです。粗暴犯には暴行・傷害・脅迫などが該当するのですが、感情の抑えが効かなくなれば、カッとしたことが理由で突発的な行動に出る人物も出てくることでしょう。
しかし、脳機能の低下だけでは説明できないペースで犯罪件数が増加しているのです。そのことを意図的に隠していることが問題なのです。
1:“高齢者の粗暴犯” はこの10年で5倍になっている
平成29年版高齢社会白書には「高齢者による犯罪」(PDF)という項目が存在します。その中で検挙人数と犯罪者率がグラフとして提示されているのです。
65歳以上で検挙された高齢者数は47000人台で横ばい状態です。窃盗犯が7割超とほとんどなのですが、粗暴犯が2004年当時と比較して5倍に増えていることが特筆事項と言えるでしょう。
全体の 2.7% ほどだった粗暴犯の占める割合が 10.5% にまで増加しているのです。これを “脳機能の低下” が原因とするのは無理があると言えるでしょう。
2:“高齢者の絶対数” はこの10年で5倍になっていない
“脳機能の低下” が最大の理由にならない訳は「高齢者の絶対数がこの10年で5倍になっていないから」です。
老化は誰にでも起きることですから、痴呆症が原因で歯止めが効かなく高齢者が出る割合は一定の範囲内であるはずです。「5倍に増えること」は誤差の範囲内に留まらない訳ですから、“脳機能の低下” とは別の理由もあることを意味しているのです。
3:キレる輩が高齢者になっただけ
ここで注目すべきは「昔からキレていたヤツがどれだけ存在したか」という点でしょう。
少年犯罪の凶悪犯罪件数が最も多かったのは昭和35年(1960年)です。1960年の誕生日で18歳の誕生日を迎えるのは昭和17年(1942年)生まれであり、彼らが65歳になるのは2007年のこと。この前後は少年の凶悪犯罪も粗暴犯も多かった時代なのです
- 昭和30年代の少年犯罪(年平均)
- 殺人:377.8
- 強盗:2291.9
- 強姦:3928.2
- 放火:503.1
- 粗暴犯(暴行・傷害・脅迫・恐喝):40328
- 2006年の少年犯罪
- 殺人:73
- 強盗:912
- 強姦:113
- 放火:297
- 粗暴犯(暴行・傷害・脅迫・恐喝):11139
高齢者は今の若者(18歳未満の少年少女)と比較して、凶悪であることは明らかです。粗暴犯の件数は4倍ですし、その世代が単にそのまま高齢者になり、社会問題になっているだけと言えるでしょう。
4:「高齢者だから」という “お目こぼし” がされなくなったことも理由の1つ
「キレる高齢者」などこれまでスポットが当たっていなかった問題が注目されるようになったのは被害者が “泣き寝入り” をせずに済む時代へと移り変わったからでしょう。
昔であれば、「高齢者だから」という理由で周囲からの圧力で “お目こぼし” がされてきた事案が「法の裁きを受けるべき事案に特別対応はない」と考える人が増えたと考えられるからです。
老化による理由であれ、高齢者自身が元々粗暴であれ、被害者からすれば被害を受けたことに変わりはないのです。被害を受けた側が我慢をすれば済むことという主張は「いじめを受けた側が訴えなければ済む話」というロジックと同じであり、キレる高齢者の行為に理解を示す人は少ないと思われます。
高額な番組予算を使える NHK であれば、問題を起こす高齢者の素行や時代背景などにも切れ込むだけの余裕はあるはずです。お得意のAIをフル活用し、社会問題の原因を探る優れた番組作りをするべきなのではないでしょうか。