韓国政府の慰安婦報告書は韓国の国内問題、日本側が追加で配慮をする必要性はゼロだ

 ムン・ジェイン大統領が選挙公約の1つとしていた『慰安婦合意』に対する検証作業が終了し、12月27日に検証結果をまとめた報告書が発表されたと NHK が伝えています。

 「日韓関係が悪化する恐れがある」と懸念するメディアも現れることでしょう。しかし、悪化の原因を作ったのは韓国政府です。どっちもどっちなどと責任を日本側に押し付けようとするメディアは論外と言えるでしょう。

 

 報告書では、前のパク・クネ政権の対応について、「被害者の意見を十分に集約せずに、政府の立場を中心に考えて合意を結んだ。被害者が受け入れないまま解決を宣言しても、問題は繰り返されるほかない」と批判しました。

 また、ハイレベルの交渉を秘密裏に進めて、韓国に重荷となる内容を公開しなかったとしたうえで、パク前大統領と韓国外務省の間で意思の疎通が不足していたなどと指摘しています。

 

 ムン・ジェイン大統領は「パク・クネ政権の業績を全否定すること」で誕生した政権です。そのため、『慰安婦合意』を否定することも想定の範囲内と言えるでしょう。

 しかし、いずれも韓国の国内問題です。日本政府が追加支援をするなど配慮を示す必要性は微塵もないのです。

 

1:韓国は外交常識すら存在しない国

 韓国政府が発表した『慰安婦報告書』の内容を受け、「日本政府も努力が必要」などと主張する左派メディアが現れることでしょう。

 しかし、韓国は非公開と決めた外交交渉を2年で公開するような異常な国なのです。外交常識があるとは言えない判断ですし、合意を履行する他に選択肢は韓国政府に残されていないのです。

 それでも、ムン・ジェイン政権は「再交渉」や「破棄」を言及するタイミングを伺っていることが予想されます。それが政権誕生の大きな原動力なのですから、この前提を日本側は念頭に置いておなかえればなりません。

 

2:“裏合意” も合意事項であり、表に出したことで誤魔化せなくなった

 韓国では「裏合意があった」と批判する論調が出ています。内容は合意事項の細目と表現することが適切であり、“裏合意” と呼ぶ代物ではありません。

  • 挺対協などの関連団体の説得に努力する
  • 海外の追悼碑設置などについて支援をしない
  • 性奴隷という表現を用いない

 表沙汰にしなければ、韓国政府が上記項目をサボタージュすることも可能でした。要するに、「知らんがな」とすっとぼけることができたのです。

 それを放棄したのですから、韓国側が「裏合意」と主張しようが、合意事項として遵守することが責務なのです。それをしないのであれば、真っ当な両国関係を維持することは困難と言えるでしょう。

 

3:ムン・ジェイン大統領と朝日新聞の欺瞞的態度は厳しい批判にさらされるべきだ

 ムン・ジェイン大統領は談話で「歴史問題は原則対応を続ける、安全保障や経済は未来志向で行く」と述べ、『ツートラック外交』を行うことを明言しています。韓国にとっての “いいとこ取り” をすると宣言しているのですから、日本側も態度を硬化させなければなりません。

 また、朝日新聞も28日付の社説で「日本政府の努力も欠かせない」などと主張しています。朝日新聞が報じたデマ(=慰安婦報道)で大問題となったのです。朝日新聞の慰安婦問題に対する解決努力こそ、最も欠かすことができないことであるはずです。

 しかし、問題を起こした当事者らは「自らの責任」を追及されることを避けるため、責任転嫁を行う傾向があります。自分たちが果たすべき責任すら放置している現状で、他者に努力すべきだなどと高説を述べる資格は存在しないのです。

 

 韓国側が合意事項を誠実に守らないのですから、もう一方の日本側が追加で配慮を示す意味はありません。それこそ、明らかなムダになっているのです。

 親韓的な主張をする人ほど、韓国の対処を批判する必要があります。タカりを続け、ゴネる実態が明るみに出るほど、世間から敬遠される事態を招くことになるからです。また、韓国に “施し” を与える訳ですから、「韓国は半人前の国なのです」とバカにしていることと同じです。

 韓国に親しみを覚えない人が日本で増えている理由は「韓国政府の対応」と「それを容認し、甘やかすマスコミの言論」であることを自覚する必要があると言えるのではないでしょうか。