『働き方改革』の関連法に反対する立憲民主党・西村智奈美議員がフィリバスターを敢行するという欺瞞

 安倍政権が進める『働き方改革』に野党は反対し、対決姿勢を強めています。しかし、長時間労働の是正など、“多様な働き方” を可能とすることは与野党共通の課題と言えるはずです。

 ところが、野党は『働き方改革』の関連法成立を阻止する目的で「加藤厚労相への不信任決議案」を提出したあげく、立憲民主党・西村智奈美議員はフィリバスター(=議事妨害)を行ったことが時事通信で報じられています。

 この行為は明らかに問題があると言えるでしょう。

 

 25日の衆院本会議で、立憲民主党の西村智奈美氏は加藤勝信厚生労働相の不信任決議案の趣旨弁明を2時間6分にわたって行った。衆院に記録のある1972年以降で最長となった。西村氏はこの後、国会内で記者団に「気持ちとしては、もっと訴えたいことがあった」と語った。

 「長時間労働の是正」など、現行の勤務体系では問題があるのです。そのことを是正するために『働き方改革』を避けることはできません。

 提出された法案に問題があると主張するなら、法案内容についての議論を行うべきです。ところが、立憲民主党などの野党は「担当大臣への不信任決議案」を提出した挙句、趣旨弁明で所属議員がフィリバスター(= 議事妨害)を行ったのですから、救いようがないと言えるでしょう。

 

多様性を要求する野党が「働き方の多様性」を拒否するという矛盾

 立憲民主党など野党は「高度プロフェッショナル制度に反対」の姿勢を表明していますが、法案を読まずに批判していると疑われることが問題です。

画像:高度プロフェッショナル制度

 なぜなら、対象者・健康管理・導入などについて明記(PDF)されているからです。これらの部分を無視し、「反対」とだけ叫んだところで支持は広がりようがないのです。

 また、一部の弁護士などから批判が出てきた「高プロ対象からの除外」も、維新の党や希望の党が与党と修正協議を行い、法案に明記されることになりました。

 維新や希望が示した姿勢が野党には求められているのです。立憲民主党などは「多様性」を主張していますが、その一方で「働き方の多様性」を認めようとしない姿勢は大きな問題と言えるでしょう。

 

時間に縛られない働き方をする選択肢を与えることすら拒む野党

 『高プロ』に反対する野党は「時間に縛られない働き方をする」という選択肢が存在することすら認めないのでしょう。

 「8時間働けば、普通の暮らしができる」という要求は工場勤務など “ブルーカラー” に属する人々に適したものです。この基準を “ホワイトカラー” にまで適用するから、長時間労働が蔓延する事態が発生するのです。

 『成果』と『勤務時間』に相関関係が薄い “ホワイトカラー” は『高度プロフェッショナル制度』の対象にし、フレキシブルな勤務体系を用意することは従業員の満足度を高めることになると言えるでしょう。

 もし、“ブルーカラー” に『高プロ』が導入されれば、長時間労働の温床になるリスクがあります。ただ、導入には労使での合意に加え、労働者本人の同意が不可欠です。そもそも、工場勤務などは対象外なのですから、導入されているなら労基に駆け込まなければならない事案なのです。

 

 長時間労働が問題となり、それを解決するために動く必要がある中でフィリバスター(=議事妨害)を行い、行政府の職員に長時間労働を強いる野党に労働問題を語る資格はないと言えるでしょう。立憲民主党などの野党に一般労働者を代弁する資格はないと言えるのではないでしょうか。