原発デマを振りまいた上、「枝野支持はあり得ない、今後も共産党を支持する」と明言するおしどりマコ氏を参院選に擁立する立憲民主党

 来年、2019年の夏に行われる参議院選挙で立憲民主党は全国比例区の候補として、芸人のおしどりマコ氏を公認することを決定したと朝日新聞が報じています。

 誰を候補者とするのかは政党の自由ですが、おしどりマコ氏を立憲民主党が擁立することは不適切と言えるでしょう。なぜなら、『党の考え』を体現する人物とは言えないからです。

 

 立憲民主党は29日、持ち回りの常任幹事会で、来年夏の参院選比例区に現職の川田龍平氏(42)と、原発取材を続けるジャーナリスト兼芸人で新顔のおしどりマコ氏(43)、女性支援団体共同代表で新顔の佐藤香氏(50)の公認を決めた。また、参院選埼玉選挙区(改選数4)にさいたま市議で新顔の熊谷裕人氏(56)の公認も決めた。

 枝野幸男代表は同日、東京都内で会見し、「いずれの候補も党の考えを体現する人たちだ」とした。

 立憲民主党の枝野代表は公認を決めた4名を「いずれも党の考えを体現する人」と評価しています。これは「候補者の考えを立憲民主党は支持している」と述べたことになるため、党に大きなマイナスを招く要因となる恐れがあるからです。

 特に、おしどりマコ氏の擁立が問題です。

 

おしどりマコ氏は「枝野は支持できない、共産党を今後も支持する」とツイート

 まず、おしどりマコ氏は立憲民主党の現代表である枝野氏に否定的です。「支持できない」とまでツイートしています。

画像:おしどりマコ氏のツイート

 立憲民主党は支持するけど、枝野さんとか、どうしても支持できないし。原発事故後の取材を通じて、昨年の野党共闘下での枝野さんの働きを取材して、ないな100%だったので。共産党、今後も本当に支持する。

 このツイートが行われたのは2017年10月のことで、わずか1年前のことです。『共産党支持』を鮮明にし、枝野代表を「100%ない」と言い切った状態の人物を立憲民主党が参院選に擁立すべきではないでしょう。

 党として擁立に値する人物の見極めに失敗していると言わざるを得ません。立憲民主党がおしどりマコ氏を参院比例区の候補として擁立したいのであれば、当該ツイートに対する現在の考えを候補者自身に語らせなければならないはずです。

 それとも、「枝野代表は 100% ない」と述べる人物が『立憲民主党の考え』を体現しているとでも言うのでしょうか。明らかに選定上のミスが生じていると言えるでしょう。

 

放射能デマを今も流し続けるおしどりマコ氏

 また、おしどりマコ氏が現在も放射能デマを流し続けている立場であることを立憲民主党は見落とすべきではありません。おしどりマコ氏は『週刊文春2012年3月1日号』で “郡山4歳児と7歳児に「甲状腺がん」の疑い!” とのタイトルのデマ記事を執筆した人物です。

画像:『週刊文春2012年3月1日号』での記事

 これは「対象者に無償で甲状腺検査を実施したが、全員に問題がなかった」と完全に否定されています。

 甲状腺検査で『悪性の疑い』があれば、2次検査に当たる細胞診を行います。実際には「直ちに2次検査を要するC判定が下された受診者はゼロ」でした。

 ところが、おしどりマコ氏は「 “B判定との診断が下された2名” が『C判定が出た際に受ける細胞診』を受けていないことを理由に『ガンの疑いがある!』との記事を文春に書いた」のです。これは明らかに誤報・デマと言えるでしょう。

 しかも、「原発事故によって、甲状腺に結節やのう胞ができた」という因果関係は示されていません。また、甲状腺検査で発見される結節やのう胞の割合は福島県と他の都道府県との間に明確な差は存在しないのです。

 そういった科学的な根拠が示されているにもかかわらず、平気でデマを振りまき続ける人物を『党の考えを体現する人物』として参院選で公認することは軽率を言わざるを得ません。

 

 おしどりマコ氏は立憲民主党の参議院比例区の候補なのですから、全国遊説を行い、『放射能デマ』を振りまく演説を行うことが予想されます。その結果、福島に対する風評が大きくなる訳ですから、風評の再生産を行った立憲民主党の責任は重いと言わざるを得ません。

 “真っ当な野党” という肩書きを名乗るのであれば、おしどりマコ氏の擁立は見送るべきでしょう。そもそも、立憲民主党の価値観に合致した候補者とは言い難いからです。

 ただ、『党の考えを体現する人物』を候補者として擁立することができず、「反原発」という立場だけでおしどりマコ氏の擁立を決めたのであれば、立憲民主党はその程度の政党だったと言えるでしょう。いずれにせよ、立憲民主党は「市民の味方」と言えない残念な政党であることは間違いないと言えるのではないでしょうか。